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【評価・感想】『ダイイングライト(エンハンスト・エディション)』レビュー

4.0
ゲームレビュー
ゲームレビュー
この記事は約7分で読めます。
原題Dying Light
対応機種PC,PlayStation,Xbox
プレイ時間20時間~
ストーリープレイヤーは、GRE(世界救済活動会)から派遣されたカイル・クレインとして、ゾンビで溢れかえる「ハラン市」に降り立つ。この混乱を収束させられる極秘書類を入手すべく、カイルは地元のコミュニティに単独潜入する。

『ダイイングライト』は、オープンワールド”ゾンビ”ゲーム。

デッドアイランド』を開発した「Techland」による一作で、多くの要素を『デッドアイランド』から受け継いだ”実質的な後継作”とも言える作品になっている。

関連記事>>>【評価・感想】『ダイイングライト ザ・フォロイング(エンハンスト・エディション)』レビュー

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著者情報
Kakihey

2014年末より当サイト「Kakihey.com」を運営中しています。現在までに300本以上のゲームレビューを公開しています。基本的にPCでゲームを遊んでいます。

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プラチナエディションとは/違いは?

「プラチナエディション」は、全部入り。

「プラチナエディション」には、本編である『ダイイングライト』に加えて、これまでに発売されたDLCも収録されている。なので、今から買う場合は、「プラチナエディション」を買えば良い。

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評価

パルクールは最高だ!

「パルクール」の導入は、最高、文句なし。

実質的な前作『デッドアイランド』でも”パルクール風”のアクションは楽しめたが、本作の方ではそれを本格的に取り入れており、『ミラーズエッジ』を彷彿させるパルクールが登場。

このパルクールの導入によって、ひっきりなしにゾンビの相手をさせられるグダグダ感が見事に解消され、何にも邪魔されずに目的地へと直行できるようになった。一部のゾンビこそプレイヤーを執拗に追跡してくるが、それ以外の大半のゾンビは地上をノソノソと動き回るだけなので、パルクールを駆使して建物から建物へと飛び回っていれば、ゾンビに触れることなく移動できる。

『デッドアイランド』や『デッドアイランド リップタイド』では、クエスト開始地点にたどり着くまでの道中での戦闘で疲れたり、移動しているうちに飽きてしまうことが多々あったが、本作ではそうしたことが一切なかった。

スキルをアンロックすれば、「引っ掛けフック」が入手できる。

射程範囲内であれば、『ジャストコーズ』や『バットマン アーカム・アサイラム』のように、フックが引っかかった場所まで一気に身を運んでくれ、パルクールと組み合わせれば、人間離れしたスピードで、マップ内を移動できる。

オープンワールドゲームにおいて、移動は単調になりがちな部分だけれど、そこをバッサリとカットできるので、全編に渡って無駄がなく、密度の高いゲームプレイが楽しめる。

また、パルクールは単に移動時間をカットしてくれるだけではない。

アサシンクリード』のように、オープンワールド自体がパルクール向けのステージになっているので、移動中は常に「どのルートを進むか」「どのタイミングで技を繰り出すか」などを考えて走る必要があり、目的地までの移動が、一種のパルクール用のチャレンジになっていて、気が抜けない。

パルクールは、”ダイイングライトを象徴する重要な要素”であると同時に、オープンワールドゲームにおける諸問題をスマートに解決する切り札でもあり、その二つの面で、パルクールの導入は最高で、文句なしだ。

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昼夜のサイクルは”プレイの密度を高める?”

「パルクール」の次に、特徴的な要素は”昼夜のサイクル”だろう。

本作では、昼夜でゲーム内容が一変する。

日中は比較的安全に活動できるが、夜は本当に危険。夜になると「ボラタイル」と呼ばれる最恐(最強)ゾンビが何匹も出現し、獲物(プレイヤー)を求めて街中をうろつき始める。夜は経験値が倍増するメリットもあるが、その分、難易度も釣り上がるというわけ。

で、私は主に日中に活動していたのだけれど、日が暮れるとセーフハウスに帰らないといけないおかげで、「いかに日が出ている間に効率的に遊ぶか」を意識させられ、結果的に、ダラダラせず、テンポよくオープンワールドでの探索が楽しめた。

今では、昼夜のサイクル自体は何も珍しくない。

ただ、本作の場合は、単に画面の変化で済ませるのではなく、それをゲームプレイに落とし込んでいる点がよく出来ており、ゲーム全体に緩急を付けて、プレイの密度を高めてくれる。

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基本的にはデッドアイランド

さて、「パルクール」を除けば、基本的には『デッドアイランド』。

本作でも、鈍器や刃物と言った近接武器をメインにした戦闘になっており、武器が届く狭い範囲の中でゾンビと対峙する緊張感と、スタミナ管理がモノを言うストイックさ、生々しくも爽快なゴア表現など、『デッドアイランド』のDNAが脈々と受け継がれている。

もちろん、本作にもクラフトシステムが存在し、様々な効果を持つトンデモ武器を自作できる。そんなトンデモ武器を手に、ゾンビをぶっ叩いていくところが、本作の目玉要素であり、その面でも『デッドアイランド』っぽさを感じる。

また、前半の”数体のゾンビに四苦八苦する”シビアさと、後半の”大勢のゾンビをバタバタと倒せる”無双っぽさも『デッドアイランド』っぽくて、”強くなっていく”ことが実感できる難しさ。

ただ、当然ながら『デッドアイランド』と全く同じということはなく、戦闘時の手触りが良くなっていたり、クラフトがその場でできるようになっていたりなど、改善と合理化が行き届いており、”デッドアイランド 2.0″と呼べるくらい、モノ自体はアップデートされている。

『デッドアイランド リップタイド』のレビューで述べた通り、“アクションゲームとしては一作目の時点で完成している”と思っているので、それをベースに改良しているだけに、本作も非常によく出来たアクションゲームに仕上がっている。

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欠点は反復的なところと、ボス戦

基本的に、ミッションは同じことの繰り返し。

各ミッションが「あれ取ってきて、これ取ってきて」であることは、個人的に許容できる部分ではあるが、後半のミッションが前半のそれとどこか似ている点は、プレイのモチベーション削ぐ要因。

ただ、メインもサイドもストーリー自体はよく出来ているので、クエスト内容は反復的でも、私はストーリーに引っ張られる形で遊べたけど。

また、ボス戦…。

ボス戦では、毎回理由を付けてアイテムを全没収されるのだけれど、その度にショートカットが無効化されてしまい、地味に面倒くさい。あと、アイテム全没収も納得が出来なくて、強い敵を倒すために武器を自作したり、レベル上げしたりする意味があまり無いなと思った。

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総評

ゾンビ系オープンワールドゲームの傑作。

とにかく「パルクール」でオープンワールドを走り抜けることが楽しく、華麗に技を決め、時にはゾンビを蹴り飛ばすなどして、何にも邪魔されずに目的地まで直行できるパルクールは、一度体験するともう忘れられない。

アクションゲームとしても、『デッドアイランド』ゆずりの近接攻撃を主体とする戦闘が相変わらずよく出来ており、様々な自作武器を振り回したり、小道具を使ったりして、大勢のゾンビを次々と倒していく無双っぽさが楽しい。

また、『デッドアイランド』と比べると、ストーリーや演出も洗練されており、その面でもよく出来ている。

オープンワールドゲームが好きで、”ゾンビもの”に耐性があれば、絶対に遊んで欲しい傑作オープンワールド”ゾンビ”ゲームだ。

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初版:2017年12月25日 7:50 AM

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