原題 | Deadfall Adventures |
対応機種 | PC,PS3,Xbox 360 |
プレイ/クリア時間 | 8時間~ |
ストーリー | 主人公、ジェームズ・リー・クォーターメンは、「アトランティスの心臓」と呼ばれる秘宝を求めて世界各地を冒険する。 |
👍Good
- それなりに遊べる
👎Bad
- チェックポイントの間隔が長い(時がある)
- 敵の種類が少ない
- 大半のパズルが簡単すぎる
本作は、「トゥームレイダー」や「アンチャーテッド」などに代表される冒険モノとFPSを組み合わせた作品になっており、プレイヤーは秘宝を求めて世界各地を冒険する。
評価
類似作の要素を拝借する
よく言えば、類似作に強くインスパイアされたゲーム、悪く言えば”類似作の特徴的な要素を臆面もなく拝借しまくった”ゲームになっており、FPSという点を除けば独自性は薄い。
具体的には、作品全体の雰囲気は「インディー・ジョーンズ」「ハムナプトラ」だし、要所要所で用意されたパズルも、「トゥームレイダー」「アンチャーテッド」をモロに意識している。
※手帳をヒントにパズルを解いていくのはアンチャーテッドそのもの
さらに、アンデット系の敵を倒す際に、まずは懐中電灯を照射して敵のバリアを剥がさないといけない点も、『アランウェイク』と全く同じ。
もっと細かいことを言えば、主人公の二丁拳銃はやはりララ・クロフトを想起させるし、主人公の容姿も、どことなく『レッド・デッド・リデンプション』のジョン・マーストンに似ている(ガンマン的なところも)。
- 類似作の特徴的な要素を拝借しまくる
ただし、”FPSと組み合わせた”点は結構新鮮に感じるところ。
例えば、ピラミッドやジャングルの遺跡などを、一人称視点(主人公の目線)で見て回れるのは、FPSである本作の強みになっており、一人称視点ならではのスケール感が見事に活かされている。
ピラミッドや石像などの大きさは、当然、一人称視点の方がダイレクトに伝わってくる。
また、パズルの数々も、物自体は「トゥームレイダー」や「アンチャーテッド」などで散々遊んだものだけれど、視界に入る情報量が少ない一人称視点だと、また違ったスリルが生まれており、それなりに新鮮さを感じさせる。
確かに、個々の要素に限れば既視感だったり、独自性の薄さだったりが強烈だけれど、FPS×冒険×パズルという組み合わせは珍しく、その点ではユニークな作品になっている。
全体的に粗っぽい
シューティングも、パズルも、一定の水準には達しており、ストーリーを進める上で障害になるようなものはない。
ただ、“遊んでいると細かな不満が募っていく”ゲームではある。
例えば、見えない壁(縁)なのか、バグなのか分からないが、カバー付近にいる敵に銃弾を撃ち込んでもダメージが通らないことが多々あり、その度に場所を少し移動したり、照準を微調整したりしないといけない。
また、チェックポイント(死亡時の復活地点)の間隔がやけに長く、戦闘後の探索中にトラップの餌食になってしまうと、戦闘からやり直しになることも普通にある。
特にチェックポイントに関しては、せっかくパズルなどの寄り道が用意されているのに「死んだら面倒だな」という思いが先行してしまい、目の前にあってもスルーすることが何度かあった。
致命的ではないにしても、上記の欠点はゲームプレイの快適さを左右するものなので、こうしたところはもっとブラッシュアップして欲しかった。
総評
粗っぽいゲームの中では洗練された方。
多少の不満点はあるにしても、前述した通り、シューティングやパズルのクォリティは一定の水準に達しており、大作ゲームと低予算ゲームの中間辺りのFPSとしては悪くない作品。
決して、「トゥームレイダー」や「アンチャーテッド」の代わりにはならないが、それらの流れを汲む、中規模なアクションゲームとして割り切れるのなら買っても後悔しないはず。