対応機種 | PC,PS3,Xbox(互換対応) |
プレイ時間 | 12時間~ |
ストーリー | 人類が宇宙へと進出した2508年。惑星採掘艦の一つ”石村”がトラブルに見舞われ、技術者のアイザック・クラークが派遣される。 |
本作は、2008年に発売された「Dead Space」シリーズの一作目。「EA Redwood Shores(後のVisceral Games)」が開発したサバイバルホラーゲームになり、このジャンルの新たな人気シリーズになった。
評価
PC(EA Play)版を日本語化して遊びました
サバイバルホラー風味のアクションゲーム
日本未発売のゲームにもかかわらず、国内でもそれなりに知名度のある本作。当時話題を呼んだ強烈なゴア表現や舞台となる”USG石村”、そしてもはやクリーチャーよりも恐ろしい技術者の主人公など、日本人ゲーマーにとってもキャッチーなゲームだったと言える。
そんな本作は、“USG石村”を舞台にしたサバイバルホラーゲーム。
まず「USG」というのは惑星採掘艦のこと。2508年の世界では、人類は宇宙での資源採掘を本格化させており、そのための惑星採掘艦の一つが舞台となる「USG石村」になる。
その「USG石村」は、一枚の広いマップではなく、区画ごとに小分けされた閉鎖空間。チャプターの終わりにトラムに乗ることで次の区画へと進む方式になるが、今いる区画内であれば比較的自由に行動できる点が特徴。
発売当時で言えば『バイオショック』にも似た「探索型ゲーム」の側面があり、ストーリーだけを追うこともできるが、アイテムを求めてロッカーを漁ったり、音声データを拾ってストーリーの断片を集めたりもできる。“さまざまな脅威に対処しながらエリアを探索する”というホラー体験が一つのウリと言える。
また、本作は対エイリアンのTPSでもある。
USG石村の艦内には”ネクロモーフ”と呼ばれるエイリアンが棲みついている。このエイリアンは「バイオハザード」で言うところのゾンビになるのだが、ゾンビとは違いヘッドショットが有効ではない。ここがTPSとしてもっとも特徴的なところなのだが、敵は四肢を破壊しないといけない。
迫り来るネクロモーフを見ると頭や狙いやすい胴体を撃ちたくなるが、基本はしない方が良い。敵のタイプによっては、頭を撃ち落とすとジタバタしたり、胴体を撃つと中の幼体(?)が大量に出て来たりなど、余計に事態が悪化する。
したがって、頭や胴体はあまり撃たない方が良いのだが、逆に他のTPSではあまり狙わない手足は、本作では効果的にダメージを与えられる部位になっている。強そうに見えても鎌のような両手を切断すると楽に対処可能で、両足も、切断すれば動きを封じることができる。
本作では部位破壊が単なる視覚的なインパクトではなく、攻略する上でのカギになっている。激しい戦闘の中で「どの敵のどの部位からカットするか?」を考えさせる戦術性がTPSとしての特徴になり、”的を狙い撃つ”という射撃の楽しさへと繋がっている。
ちなみに、TPS部分は軽快な『バイオハザード4』のような感触。
移動は特に制限なく行えるが、銃は構えないと撃てないし、リロードも一度銃を構えないとできないなど、他のTPSと比べると窮屈な印象を受ける。サバイバルホラーゲームとアクションゲームの間くらいの感覚で、自分の経験から言えば”軽快に動かせるバイオハザード4″に近い。
それら以外では、ゲーム世界に溶け込む形で存在するUIや丁寧なナビゲーション、ロード画面を意識させないシームレスな作風など、プレイヤーをゲーム世界に没入させる作りが特徴的。ストア画面や装備を強化する画面もリアルタイムで表示し、その部分は徹底されている。
一応「怖いか、怖くないか」についても述べておくと、言うほど怖くなかった。
これは個人差がかなりあるところだと思うが、主人公が強いのでネクロモーフの脅威に対して冷静でいられる時が多かった。恐怖演出にドキッとすることもあったが、大半の場面ではホラー風味のアクションゲームとして遊んでいた。怖さを体験したい場合は最初から”HARD”で遊んだ方が良いと思う。
あと、サバイバルホラー要素についても述べておくと、結構緩い方。
艦内にはアイテムの売買ができるストアがあり、そこで必要な分は補充できる。さらにエリア内にもアイテムはよく起きているので、こまめに回収していれば余り気味なくらいには入手できる。ただ、無駄遣いするとカツカツになるので、程よく意識させられるサバイバルホラー感と言える。
強いて言えば…
これと言って大きな不満なく遊べたが、強いて言えば反復的なところ。ストーリーは12時間近くあるが、この内容であれば10時間弱でクリアしたかったなと思う。遊んでいて気になったのはこれくらい。
総評
少しでも気になるのであれば、絶対に遊んだ方が良い。TPSとサバイバルホラーがバランスよく楽しめる作品になり、サバイバルホラー風味のアクションゲームとして、今でも十分通用する面白さ。難易度がメディアム以下であれば難しくなく、見た目によらず手軽に楽しめる中身だったのも好印象。