原題 | A Plague Tale: Innocence |
対応機種 | PC,PlayStation,Xbox |
プレイ時間 | 12時間~ |
ストーリー | 1349年、”黒死病”が猛威を振るうフランス。アミシアは、幼い弟のユーゴを連れ去ろうとする 異端審問官の衛兵たちに立ち向かう。 |
本作は、2019年に発売されたアクションアドベンチャーステルスゲーム。「Asobo Studio」が開発した作品になり、プレイヤーは姉のアミシアを操作し、弟のユーゴを見守りながら各地を転々する。
なお、2022年には続編『プレイグ テイル -レクイエム-』が発売された。
評価
かなり直線的なパズルゲーム?
ゲームは、一本道なエリアを進んでいく直線的な作り。ムービーを除くと、基本的には「次の目的地までの移動」「ネズミの群れを避けて進むパズル」「兵士が巡回するエリアを進んでいくステルス」で構成されている。道中では、ネズミの群れや兵士が主人公らの行く手を阻むが、多勢に無勢で、隠れて進むのが鉄則。
そんな本作で、もっとも特徴的なのは二番目の“ネズミの大群”だろう。
ネズミは火が弱点になり、ここでは松明を持って道を進んだり、火を何かに載せてタイミングを見計らって走り抜けたりなど、火を上手く使いこなして、道を切り開いていく。それ自体は、そこまで難しいものではないが、「何にどの順番で火をつけるか」「どのように装置を組み合わせるか」など、ここは軽い頭の体操になるパズルで、パズルゲームを遊ぶ感覚に近いものがある。
なお、誤ってネズミの群れに迷い込んでしまった場合は、そのまま襲われてゲームオーバーになる。
一方で兵士の方も、パズルっぽいステルスになる。
ここでは、モノを投げて敵を遠ざけたり、タイミングよく通り抜けたりする必要があり、アイテムの使い分けや使うタイミングなどが重要。ただし、大半のステルスパートは「これにモノを投げるとあの兵士が下がる」と言った”押す・引く”のようなもので、これもパズルゲーっぽい。
そして、これ自体もそこまで難しいものではない。
基本的に、ステルス用のエリアも直線的なので、向かうべき場所はすぐに分かるし、兵士への対処法も(すでに述べた通り)決まった手順が用意されているので、それをきっちり守ればスムーズに先へと進める。
敵の目をかいくぐって移動したり、じっと待って敵に襲いかかったりと言った“本格的なステルス”というよりは、シンプルで、ほどよくスリルが味わえるステルスになっている。
それら以外で、武器やポーチなどをアップグレードする仕組みが存在する。『ラストオブアス』のように移動しながらクラフト素材を集めて、主人公を強化することができる。
それぞれの要素は、単体ではかなりシンプルな作りだが、ムービーや移動の合間に遊ぶ分には”丁度いい内容”で、全体を通してみればメリハリのあるゲームになっている。
正解を探り当てていくゲーム
アクションもステルスも、決まった手順を見つけられないと容赦なくゲームオーバーになる。
ほとんどの場面は難なく先へと進めたが、決まった手順を見つけるまで何度もやり直した箇所がちらほらとあり、アクションもステルスも、”正解を見つけるために試行錯誤する”パズルゲームっぽい要素が強め。
一応、敵に発見されても応戦したり、逃走したりは可能だが、基本的には非力で、弟くんもいるのでステルスに徹した方がスマートに遊べる。
総評
良くも悪くもパズルゲームっぽいところがあること、ストーリーを描くことに重きが置かれた(かなり)直線的なゲームであることは注意だが、クリア後に振り返ってみると、良質なストーリー重視のアクションゲームだった。
主人公も直感的に操作でき、アクションやステルスもシンプルで扱いやすく、ストーリー重視のゲームだからと、プレイ面が二の次になっているということはなかった。加えて、歴史的な出来事を背景にしたストーリーも面白く、その混乱の中で成長していく主人公たちの姿を見ていると、続編も遊び、この旅の終わりを見届けたくなる。
ストーリー重視のシングルプレイのゲームが好きで、テーマに興味があればぜひ遊んでみて欲しい。
初版:2020年2月8日 10:49 AM