原題 | SOMA |
機種 | PC,PS4,Xbox One |
プレイ/クリア時間 | 8時間~ |
紹介
どんなゲーム?
「Amnesia」シリーズで【Frictional Games】開発のホラーゲーム。
今回は”SF系”になっており、プレイヤーは”海底の研究施設”【PATHOS-II】で目覚めた”サイモン・ジャレットとして、この謎に包まれた施設を探索することに。
そして、施設内には自我を持ったロボットや危険なミュータントが潜んでいた。
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PC版は日本語化可能
- 【セーフモード対応】『SOMA』を日本語化する方法
PC版だけは日本語化Modを導入することで日本語でプレイ可能。
ホラーゲームが苦手な人の為のセーフモード
ホラーゲームが苦手な人向けに【セーフモード】が用意されている。
▼セーフモードの特徴▼
- 主人公の無敵化
- クリーチャーに無視される
本作はクリーチャーとの「鬼ごっこ」もしくは「隠れんぼ」がゲームプレイの核となっているのだが、【セーフモード】ではこの部分を丸々スキップできる。
(クリーチャーに攻撃できない)
- 「鬼ごっこ」や「隠れんぼ」は怖くてイヤだ
- クリーチャーに探索の邪魔をされるのはイヤだ
- クリーチャーに攻撃されるのはイヤだ
という人は【セーフモード】でプレイすれば良い。
セーフモードでも怖いものは怖い
たとえ【セーフモード】でプレイしても、本作の恐怖が骨抜きになることはない。
確かに、”直接攻撃されない”安心感はあるのだが、一方でグロテスクな敵のデザインや、グラフィックとサウンドを用いた恐怖演出は健在なので、ホラーゲーム特有の緊張感は保たれている。
まあ、本作で最も恐ろしいのは(自主規制)なのだが。
SOMAのストーリー
彼はその損傷を治療すべく、ある大学の研究に参加する。
評価
【Pros】能動的に探索させる
舞台は海底の研究施設【PATHOS-II】。
エリア内にはオーディオ/テキスト・ログが散乱しており、プレイヤーはそれらを読み解きながらストーリーを読んでいく作風になっている。
- 舞台は海底の施設
- オーディオ/テキスト・ログを読み解いていく
そして、オーディオ/テキスト・ログの大半は苦労して探す価値があるものばかり。
単純に「もっと詳しく知りたい」と思わせるストーリーの存在も大きいが、ストーリーでは詳しく語られない”こぼれ話”や出来事の背景が興味深く、「素通りするのはもったいない」と感じるものがほとんどである。
- 回収できるログは興味深い内容ばかり
ゆえに”探索することにちゃんと意味がある”。
メインタスクを除けば、ゲーム側から遊び方を強制されることは一切無いにもかかわず、気が付けば部屋の隅々まで探索してログに目を通していることが多く、”プレイヤーが自分の意思で探索する”ように仕向けることが上手いと感じる。
ここにデカデカとしたマーカーが入る余地はない。
【Pros】あえてプレイさせる意味
本作は【入力】=>【反応】の繰り返しが心地よい。
例えばパスコードを入力する場面では、実際にゲーム内のパネルを操作して入力していく。また、機械に電力を投入する際も、まずは電源コードを掴んで差込口に接続し、次にアナログスティックを操作してスイッチを入れさせる。
全体を通して”プレイヤーが実際に操作する”ことに重きが置かれている。
他のゲームでは自動化されることも多いが、あえて主人公の一挙手一投足を操作させることでプレイヤーと主人公の一体感が生まれており、ゲーム世界への没入感も高めてくれる。
また、「こうすれば電源が入るはずだ」というように”プレイヤーが納得した上で”行動に移すようにデザインされているおかげで、ゲーム側に”やらされている”と感じさせない。
【Pros】問いかけるストーリー
クリアまでに数回、キャラクターの生死を左右する場面に出くわす。
本作の場合、キャラクターの生死が展開を左右することも、プレイヤーに有利/不利に働くこともないので、純粋に自分自身の倫理観や道徳観をゲームに反映させる場面になっており、個々の選択が非常に重い。
さらに、本作にはストーリー側からの”問い返し”も存在する。
“自分の周囲で起きていることが理解できない”序盤は、瀕死のキャラクターを尊厳死させる選択こそが妥当だと思っていたが、ストーリーが進むに連れてその選択は「果たして正しかったのか?」と考えさせられるポイントがやって来るのだ。
なお、中盤の”種明かし”前後では「死」の捉え方が変わる。
それを踏まえた上で、キャラクターの生死を決めるのは本作の見所の一つであり、プレイヤーはキャラクターの「死」をもってゲーム世界に関与していく。
【Cons(欠点)】HUDレス
本作は徹底してHUDレス。
要するに、ゲーム画面にはマーカーや指示が一切表示されず、ゲームっぽさが完全排除されているのだ。
結局、これはプレイアビリティ(=遊びやすさ)とのバーターになっており、高い没入感と引き換えにプレイの快適さが犠牲になっている瞬間が多い。
確かに、本作はHUDレス採用作品の中ではプレイヤーに配慮している方ではあるが、それでも「次はどこに行くべき?」「今はどの辺りに居る?」と迷子になることがある。
総評/傑作のSF系ホラーゲーム
長らく”積んでいた”ことを後悔するレベルの傑作。
「人間を人間とするもの」や「自分という存在の証明」と言ったテーマは興味深く、”コイントスに勝った側、負けた側の現実を突き付ける”エンディングも含めて忘れがたい一作である。
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