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【評価/レビュー】『ライフ・イズ・ストレンジ・ビフォア・ザ・ストーム』第1話「Awake」【批評/感想】

物語のネタバレ無し

『ライフ・イズ・ストレンジ 嵐の前』

あの能力はないが、間違いなくこれは『ライフ・イズ・ストレンジ』だ。

実は『Life is Strange: Before the Storm』が別会社による作品と聞いたときは、少し心配していた。本家である「DONTNOD Entertainment」以外のスタジオが、あのゲーム世界を「再現」できるのか不安だったのだ。

しかし、それは杞憂に過ぎなかった。『ライフ・イズ・ストレンジ』の特徴的な”あの能力”こそ存在しないが、このエピソードは間違いなくライフ・イズ・ストレンジの世界の一部であると感じられるものになっており、今後配信予定のエピソードの期待値を上げるには十分な内容だった。

主人公のクロエ。レイチェルの突発的な行動に言葉を失う。

さて、ネタバレしない範囲で物語について書くと、今作の物語は「クロエがクロエになるまでのお話」と言えるだろう。

熱心なシリーズファンには釈迦に説法だが、今作の主人公は前作の重要人物だったクロエ・プライス。前作で主人公マックス・コールフィールドの親友として登場した彼女は、その派手なタトゥーと澄んだ青色の髪がとにかく印象的だった。

そんな彼女だが、今作では非常に落ち着いた姿をしている。確かに、父親の死と継父(となる人物)のことで荒れているし、他人に悪態をつくなどするが、それでも前作のファンが知っているクロエではない。

前日譚である今作と前作との間には3年の空白期間がある。その間に彼女の身に何が起き、「どのようにして”クロエ”となったのか」ということが描かれる予定であり、まさに「クロエがクロエになるまでのお話」と言えるだろう。

その序章となるエピソード1では、そのきっかけが描かれる。”失踪した謎多き生徒”として、前作では名前や写真だけで触れられていたレイチェル・アンバーが登場し、物語をリードしていく。

さて、この2人の性格は正反対。クロエと言えば前作では主人公を振りまわる側だったのだが、今作ではレイチェルに振り回される側に周り、レイチェルに連れられる形で時間が過ぎていき、その中で2人は少しずつ歩み寄り、信頼関係を構築していく。

クロエの心情は察するに余り有る。若くして父親を交通事故で亡くし、心の支えとなっていた大親友には見捨てられたと思い込み、家庭にも居場所がないと感じているからだ。

そうしたクロエにとって、レイチェルは全てが完璧に見えたわけだが、実は彼女は彼女なりの深刻な問題を抱えており、それが大爆発するラストは、それまでのスローペースとは比較にならないほどの追い上げを見せる。

また、そこで少しだけ明かされる”レイチェルの秘密”や謎の人物の存在は興味深く、しっかりとプレイヤーを惹きつけたまま終わるので、次のエピソードが待ちきれない気持ちになるだろう。

炎に包まれるレイチェル。

クロエの精神世界。※ホラーじゃないです。

プレイ前の不安感は開始数秒で吹き飛び、エピソード1は順調な滑り出しと言える。

「時間を巻き戻す」というシリーズ最大の長所を失いながらも、しっかりとライフ・イズ・ストレンジの世界を拡張することが出来ており、余計なパズルがないゲームプレイ面も非常に手堅い。

前作を強く意識した作品なので一見さんには厳しいが、シリーズファンであれば遊んで損はない作品に仕上がっている。というか遊ばないのは損。

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