原題 | L.A.Noire |
対応機種 | PC,PlayStation,Xbox ※リマスター版 |
ストーリー | 凶悪事件や汚職がまん延する大都市”ロサンゼルス”。主人公(コール・フェルプス)は警察官として、数々の事件を解決していくが次第にこの街に渦巻く陰謀に巻き込まれていく |
プレイ時間 | 22時間~ |
本作は、「グランド・セフト・オート」で有名なRockstar Gamesが支援し、Team Bondiが開発したオープンワールドゲーム。なお、”Team Bondi”はPS2のヒット作である『ゲッタウェイ』を開発した”Team Soho”の一部メンバーによって設立されたスタジオになる。
評価
オープンワールドゲームではない?GTAと比較する
実在するブランドも登場させ、40年代のロサンゼルスを忠実に再現したオープンワールドで、プレイヤーは刑事として数々の凶悪事件を解決していく。
ただ、一般的なオープンワールドゲームとは違い、本作はオープンワールドを背景として活用しており、「グランド・セフト・オート」のように街を自由に散策し、山ほどある遊びを好きに楽しむことはできない。
ストーリーは、事件を解決すると次の事件へと進むという形なので、オープンワールドゲームというよりは章ごとに進むストーリー重視のゲームに近く、オープンワールドはゲーム世界に説得力を持たせ、雰囲気を作ることに特化した空間と言える。
なお、オープンワールド自体は見事な作り込み。ショーケースの小物一つ取っても精巧に作られているし、この手のゲームにしては珍しく、内装もしっかり作り込まれている。
Rockstar Gamesと聞くと、どうしても「グランド・セフト・オート」のようなオープンワールドゲームを期待してしまうけれど、本作に関しては”オープンワールド要素のある”一本道なストーリー重視のゲームだと思って遊んだ方が良い。
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オープンワールドで出来ること
クリア後のお楽しみとして、自由に街を散策できるモード(フリーパトロール)が用意されている。ここではストーリーモードの方で見逃してしまった「路上犯罪(サイドミッション)」を解決したり、街の観光名所を巡ったりなどができる。
本当に面白いのは推理・尋問
本作は目玉は、捜査や推理。
証言や証拠から容疑者を絞り込み、犯人に自供させることで事件は解決になる。本作では実際の捜査も再現しており、事件現場での証拠品集めに目撃者探し、被害者の死因や身元の特定など、足で稼ぐ捜査が展開され、40年代スタイルの古風な犯罪捜査が体験できる。
そして、苦労して集めた証拠や証言をもとに推理し、容疑者を尋問するシーンは本作のハイライト。
本作では俳優の顔をキャプチャし、それをゲーム内のキャラクターに当てはめている(MositonScan技術)。したがって、各キャラクターの表情は本物で、彼らの感情がそのまま表情に出ており、実際の刑事がするように、相手の表情を見て、その証言の真偽を判断すると言ったことが可能に。
台詞を選択し、ストーリーを進めていくゲーム自体は珍しくないが、本作はこの”MositonScan”のおかげで、ストーリーのトーンに合った現実味のある推理と追及が楽しめるようになっており、推理ゲームに新しい体験をもたらしている。
難易度は高くない
銃撃戦やカーチェイスなどは、何度かゲームオーバーになると丸々スキップできる。車の運転に関しても相棒に任せてしまうことができ、あまりこの手のゲームを遊ばない人にも配慮されている。
総評
本作は、”MositonScan”技術を活用した推理と、ハリウッドの光と影を描くハードボイルドなストーリーが見所になり、一本の長編映画を観るような感覚で楽しめる作品だった。
台詞と追及内容が一致しない時があり、そこが玉に瑕ではあるが、大部分はアドベンチャーゲームとしてよく出来た作品になり、他のオープンワールドゲームのことは一旦忘れて、一本道の推理ゲームと割り切って遊んでみて欲しい。
初版:2019年5月10日 12:34 PM