原題 | The Witcher 2: Assassins of Kings(Enhanced Edition) |
対応機種 | PC,Xbox(互換) |
プレイ時間 | 24時間~ |
ストーリー | 一作目のあと。北方諸国の王が次々と暗殺される。不運にも暗殺者の汚名を着せられたゲラルトは”逃亡者”として、謎の暗殺者を追う。 |
今作は、2011年に発売されたメインシリーズの二作目。「CD Projekt RED」が開発した今作は、一作目『The Witcher』の直接的な続編にして、『ウィッチャー3 ワイルドハント』の壮大な序章とも言える一作になる。
評価
アクションゲーム化!前作と比較
今作では、戦闘システムが一新された。
前作『The Witcher』の戦闘システムは、タイミングよくクリックすると、あとはゲラルトが半自動的に攻撃を続けてくれたが、今作では他のアクションゲームと同じような操作が求められる。
攻撃や防御、回避と言った基本動作を守り、敵と戦っていく。
前作と同じように、主人公の能力を一時的に強化する霊薬やさまざまな効果を発揮する魔法も重要だが、それ以上に敵の攻撃を正確に回避し、的確にダメージを与えていくことが重要で、アクションゲームらしい駆け引きと、腕を上げていく楽しさが生まれている。
序盤を除くと、難易度はそこまで高くないが、気を抜くと窮地に陥る難しさではあり、霊薬や魔法の使い分け、敵への効果的な一撃など、戦闘中に意識させられることは多く、白熱した戦いが楽しめる。
こうした”ウィッチャーらしい”要素と、アクション色の強い戦闘システムの組み合わせが今作の戦闘の特徴になり、ウィッチャーの戦いが上手くアクションゲーム化されている。
戦闘面以外は、基本的には前作を踏襲した作り。
今作も、章ごとに用意されたオープンなエリア内を自由に探索し、その地域のサイドクエストを遊び、メインクエストも遊び、自分の選択を通してストーリーを進めていくゲームになる。
それぞれのエリアは、歩き回る分には広く感じるほどの規模感なので、オープンワールドゲームのようなスケール感はないが、その中にはメインクエストを始め、怪物退治やストーリー性のあるサイドクエストなどが用意されており、やるべきことは多い。
前作と同じく、オープンワールドゲームっぽい作りをしているので、ここは『ウィッチャー3 ワイルドハント』とよく似ていると思う。
また、今作のストーリーもプレイヤーの選択によって変化する。
「相手から情報を引き出すための選択」から「今後の展開を決定付ける選択」まで、ゲーム内にはさまざまな選択肢が用意されており、プレイヤーは,混沌とした世界で、数々の選択を重ねていく。前作と同じく、どの選択も悩ましいが、今作の方が選択の結果がはっきりとした形で出るので、会話シーンの緊張感が増している。
たしかに前作から色々と変わったが、アクションゲームとしてはお馴染みとも言える作りになっており、俯瞰視点でも遊べてクリックゲーだった前作よりは、幅広い層に受け入れられる作品だと思う
一本で、二度おいしい?
今作には、ストーリーが二本用意されている。
一章での選択によって二章以降の展開が大きく変わる作りになっており、ロッシュ編とイオルヴェス編でストーリーの内容はもちろん、遊べるクエストも異なる。
ストーリーの大枠こそ大きく変わらないが、それぞれのルートを遊ぶことで、ストーリーの背景が見えてくる作りになっており、クエストもすべて遊ぶためには、両方のルートでプレイする必要がある。
ボリューム的に両方遊ぶことを想定していると思うので、二周するのがお勧め。
ストーリーの繋がり、過去作も遊ぶべき?
ストーリーの繋がりだが、今作は比較的強い方。
ストーリーが前作『The Witcher』のエンディングのあとから始まるし、ゲラルトが記憶を取り戻す中で、原作小説とゲーム版を繋ぐエピソードも描かれるので、どちらか一つだけでも知っておいた方がストーリーは理解しやすいと思う。
ただ、今作でもゲーム内のジャーナルが充実しているので、それを読めば、ある程度ストーリーの予習はできる。
ウィッチャー2のオススメMod
今回は次のModを導入して遊んだ。ゲーム全体を大きく変えるものは入れず、プレイの快適さを底上げするものに限定してチョイスした。
FOV-Mod | キャラクターとカメラの位置を調整する※必須 |
Intro Logo Removal | 起動時の企業ロゴをスキップする |
Market Price Mod | 市場の価格を調整する(?) |
Zero Weight Mod | 所持品の重量制限を解除する |
総評
アクション色の強くなった今作は、白熱した剣戟アクションとウィッチャーらしいダークなストーリーが楽しめる続編になり、このシリーズの新たな一面に触れられる一作。
特にストーリー面は、『ウィッチャー3 ワイルドハント』へと繋がる政治的な陰謀劇や原作との繋がりを強めるエピソードが面白く、完結編のTW3に向けて舞台が整っていくところが、シリーズファン的には見所と言える。
ただし、不完全なステルスパートやまだまだぎこちない操作性、戦闘中に霊薬が飲めないなど、遊びにくく感じることも多く、そこは分かった上で遊んだ方が良い。※ステルスに失敗してもゲームオーバーにはならない