原題 | Mad Max |
対応機種 | PC,PS4,Xbox One etc |
プレイ/クリア時間 | 20時間~ |
👍Good
- 堅実なアクションゲーム
- マッドマックス的なオープンワールド
👎Bad
- コピペのコンテンツ
- 同じことの繰り返し
本作は「ジャストコーズ」シリーズを代表作に持つ「Avalanche Studios」が送るゲーム版マッドマックス。
なお、ストーリーは本作オリジナルのものが用意されている。
評価
堅実なアクションゲーム
トム・ハーディ主演の『マッドマックス 怒りのデス・ロード』に合わせて発売された本作は、マッドマックスの世界を再現したオープンワールドに、『バットマン アーカム・アサイラム』のコンバットシステムと、「ジャストコーズ」的なアクション(カーチェイス)を乗っけたオープンワールドゲームになっている。
まず、本作のコンバットシステムは、「バットマン」に登場したそれとほぼ同じものが採用されており、敵の攻撃に対してY(△)ボタンを押してカウンター攻撃を決め、後はXボタン(□)で敵をタコ殴りにしていく。
敵との駆け引きを楽しむというよりは、簡単な操作で大勢の敵を倒していく無双っぽさを楽しむタイプではあるが、滑らかなアニメーションや多彩な動き、カメラワークによって、観ていても遊んでいても楽しいものに仕上がっている。
次にカーチェイスは、愛車を敵の車にブツケて撃破していくことが面白く、破壊表現に熱心な「ジャストコーズ」の開発元ということで、ビジュアル的にも爽快感がある。
加えて、敵の車を破壊し、スクラップを回収し、愛車をアップグレードしていくサイクルも、地味ながらも達成感があって、ついつい熱中してしまう。
総じて、アクションゲームとしては一定のクォリティに達しており、格闘戦やカーアクションなど、本作のコアとなる部分はよく出来ている。
反復的なゲーム内容に”疲れる”
最初から最後まで”同じことを繰り返している”。
全体的に、本作はコピペのコンテンツを敷き詰めてボリュームをかさ増ししているので、どこに行っても同じ作業を繰り返すことになり、この反復性に飽き飽きさせられる。
いや、“飽き飽きさせられる”というよりは、やってもやっても終わらない作業に疲れてくるという表現の方が正しいか。
例えば、本作のマップはガスタウンを除けば4地域に分けられるが、それぞれに砦が用意されており、そのそれぞれで同じようにアップグレードしてやる必要がある。
(砦=主人公の拠点)
また、各地域から敵の影響力を排除するにしても─
- カカシや見張り台を破壊する
- 地雷を撤去する
- 敵拠点を制圧する など
と言ったタスクをそれぞれの地域で繰り返さないといけない。
もちろん、砦のアップグレードや支配下の排除はオプションではあるけれど─
- 一部メインミッションのアンロック条件になっている
- 砦をアップグレードすれば、帰還する度に車や主人公のダメージを回復してくれ、アイテムも補充してくれるようになる
- 影響力を排除する過程で、スクラップ(アップグレードに使用する)が手に入る
ということで、無視することもできない。
こうした“終わりの見えない”同じ作業の繰り返しは、プレイのモチベーションを削ぐ要因になっており、いくら格闘戦やカーチェイスが面白くても、先に進める気が失せてしまう。
マッドマックス感は薄め
“マッドマックスの世界なのに資源が潤沢に手に入る”と聞けば、原作を観た人であればマッドマックスの世界に忠実なゲームというよりは、マッドマックスっぽいゲームだと分かるはず。
一応、水分補給や食事(Dinki-Di)を通して体力を回復したり、車に燃料補充したりするサバイバル要素は用意されているが、そこまで重要度は高くない上に、砦をアップグレードすれば、帰還時に自動的に満タンにしてくれる。
個人的には、サバイバル要素は好みが分かれるところなので、本作くらいの塩梅でも特に問題はないが、マッドマックス的なサバイバルを求める人は注意したい。
ちなみに、作風としては『マッドマックス 怒りのデス・ロード』ほど画面から漲るエネルギーはなく、どちらかと言うと『マッドマックス2』や『マッドマックス/サンダードーム』に近い。
総評
本作は、アクションゲームとしてはよく出来ているが、オープンワールドゲームとしては同じことの繰り返しに終始する単調なゲームになっており、延々とチェックリストに✔を入れていくことに疲れてくる。
アクション面やオープンワールド自体の作り込みは決して悪くないので、本作をベースにした続編がもしあれば、そっちには期待できるはず。
初版:2017年1月11日 12:00