原題 | Prince of Persia: The Sands of Time |
対応機種 | PC, |
プレイ/クリア時間 | 6時間~ |
ストーリー | 主人公、プリンスは永遠の命が手に入るという「時間の砂」を守るために、それを悪用しようとする者たちと死闘を繰り広げる。 |
👍Good
- お手軽なプラットフォーマー・ゲーム
👎Bad
- オートセーブの間隔が長い
- 粗削りな戦闘面
今作はUbisoftによる「プリンス・オブ・ペルシャ」のリブートシリーズになっており、今作「時間の砂」を起点に「ケンシノココロ」「二つの魂」へと続いていく。
評価
時間を巻き戻して、失敗を帳消しに
今作のようなプラットフォーマー・ゲームは常に「死」と隣合わせ。
体力ゲージが満タンでも、手を滑らせたり、足を踏み外したり、あらぬ方向にジャンプしたりすればそこで終わりであり、体力ゲージに関係なく、即死となる。
些細なミスが死に直結するゆえに、人によっては上手くいくまで何度も再挑戦する羽目になり、こうした容赦のなさが、プラットフォーマーを遊ぶ上で大きなネックとなる。
しかし、今作では”時間を巻き戻す”能力によって、この問題をストレートに解決しており、”死”行錯誤のゲームでありながらも、その負担を大きく軽減させることに成功している。
他のゲームなら、ロード画面を開いてデータをロードしたり、直近のチェックポイントまで巻き戻されたりするところを、今作では瞬時に失敗した直前まで戻り、再挑戦できるのだ。
このハードルの低さは画期的。
“最後の最後に入力ミスしたせいでイチからやり直しではなく、最後の部分だけやり直す”ができるので、この手のゲーム特有の容赦のなさが抑えられているし、”直近のデータまで戻されることによる”時間のロスも無くなり、テンポよく遊べる。
時間を巻き戻す能力は、今作のようなゲームに付きまとう取っ付きにくさを解消する手段として効果的であり、今作を、このジャンルが苦手な人もしっかりフォローするゲームにしている。
各ステージは程よく難しい
端的に言えば、今作は”パズル要素の薄いトゥームレイダー”であり、飛んだり、跳ねたりするプラットフォーマー・ゲーム的な側面が強い。
そして、同時期の「トゥームレイダー」と比べると、今作の方がはるかに難易度は低く、即死トラップも、初見殺しもなく、素直に地形やトラップと対峙する作風になっている。
とは言っても、基本技を確実に決めていかないといけないゲームではあり、正確にボタン入力したり、タイミングを合わせたりする必要があるので、簡単すぎることもない。
全体的に程よく難しい。
ちなみに、各ステージはバラエティに富んでおり、ビジュアル的な変化がちゃんとある。
戦闘周りは粗削り
今作の戦闘はトロくて、決め手に欠ける。
湧く敵の数が20体前後とやけに多いことに加えて、防御を中心とした戦闘なので、なかなか敵の体力を削ることができず、戦闘が長引いてしまい、全体的にテンポが悪い。
しかも、敵を倒すためには、わざわざ転倒させ、ダガーで魂を吸い取る必要がある。
また、暴発するカメラやロックオンなど、戦闘システム自体の作り込みも甘い。
さらに、戦闘中であっても主人公に同行するファラを守る必要があったり、ファラの弓矢が直撃してダメージを受けたりもして、割りと散々な目に遭う。
総じて、戦闘周りは粗削りであり、”さっさと切り抜けてステージを攻略したいのにさせてくれない”、というストレスが常にあった。
総評
戦闘面に目を瞑れば、今作は良作のプラットフォーマー・ゲームになっており、程よく難しく、しっかり作り込まれたステージを、時間を巻き戻す能力を手に走り抜けるのは面白い。
ただ、粗削りな戦闘面がプラットフォーマー・ゲームとしての良さを損なわせている面があり、せっかく、プラットフォーマー・ゲームとしてよく出来ているだけにもったいない。