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クリエイターの強烈な個性と、破綻したゲームプレイと。サイコブレイク【感想 評価 批評 レビュー】

「ゲーマーよ、かかってこい」

本作は、三上真司氏が率いる「Tango Gameworks」開発のサバイバルアクションゲーム。非常に硬派なゲームデザインと、クリエイター陣のセンスと拘りが存分に発揮されている内容が特徴だ。

Good

  • 挑戦的なサバイバル要素
  • 手の込んだロケーション
  • クリーチャーのデザイン
  • 目を引く演出の数々
  • 手に汗握るボス戦
  • アート・ビジュアル

Bad

  • まとまりに欠ける物語
  • 意味ありげだが意味不明な演出と台詞
  • 初見殺し系、即死系トラップ
  • セーブシステム
  • 操作性
  • 貧弱な初期状態の主人公
  • 中途半端なステルスプレイ
  • 爆弾解除のミニゲーム
  • なぜか銃を手にしたゾンビ
  • 終盤のアクション寄りの展開

次の記事>>>サイコブレイク「ザ・アサインメント」 レビュー

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センス光る、極限のサバイバル

本作は、最初から最後まで「サバイバル」している。発売後に難易度「カジュアル」が追加されたが、それまでは唯一「サバイバル」のみが難易度として存在し、それをクリアすると次の難易度がアンロックされるという仕様になっていた。

今回、私は全チャプターを「サバイバル」でクリアしたのだが、だからこそ「サバイバル」を唯一の難易度としていた初回版は、まさにコア・ゲーマー向けの作品だったと強く感じる。

というのも、「サバイバル」では序盤から色々とハードルが高い。例えば、初期状態の主人公は頭を抱えるほど貧弱で、10mのダッシュすらままならず、おまけに銃の精度も相当低い。こうした中で雑魚を蹴散らし、ときにはボスとも一戦を交えないといけない。

なので、序盤から要領よく攻略していくことが求められるわけだが、これは=プレイヤーの腕や経験がものを言うということであり、予告映像やCMに惹かれて手にしたカジュアル層には相当ハードルが高いように思う。

したがって、カジュアル層の視点に立てば、本作は非常に手厳しいレベルデザインになっており、全く受け付けない人がいることも理解できる。

かくいう私も以前はそっち側だった。今回再プレイするまで本作に対する印象は「最悪」だったのだが、再プレイまでの間に様々なゲームに触れる機会があり、その過程である意味でゲーム”慣れ”することができた。

そうした中で、本作を再プレイしてみると”前とは違う角度から”本作を見られるようになり、以前は気が付かなかった点が目に付いた。

それは「サバイバル」要素のことであり、本作は最初から最後までプレイヤー側にリソース管理を一任する。これがあることで、長期的な視野で攻略法を考える必要性が生まれており、さらにそれがゲームプレイの行方を大きく左右することに繋がっている。こうした挑戦的かつコア向けのデザインは非常に面白い。

また、そうしたリソース管理の結果がものを言うボス戦も悪くない。ここでもやはり「どこまでスキルアップしているのか」「アイテムはどれだけ残っているのか」ということが重要で、強いアイテムを残していれば瞬殺できるボスであっても、それが無ければ倒すのに苦労することになる。

こうしたストイックさを、私は好意的に捉えている。多くのことがプレイヤー任せであるがゆえに、管理を誤ると面倒くさいことにもなるが、だからこそ管理することに大きな意味が生まれているし、そうした「サバイバル」が硬派で面白いのだ。

思考停止のゲームプレイ面

「サバイバル」要素以外は、はっきり言って”さらなるブラッシュアップが必要“。今では、アップデートや外部ツール(PC版のみ)を用いることで解決できるが、発売当初はレターボックスと狭い視野という二重苦のおかげ、プレイアビリティは相当低かった。

どうしてもレターボックスが必要だというのなら、最初からオン・オフ機能を用意すべきだった。シューター要素のある作品であの画面の狭さは致命的。

また、リスタート周りの不備もプレイアビリティを下げている一因。本作は「死にゲー」的なところがあるにも関わらず、ロード時間は長く、再開ポイントの間隔も長い。稀にリスタートする度に主人公の演技を毎回見ないといけないときがあり、ボスに倒されたストレスよりも、同じ演出を何度も見させられるストレスの方が強い。

これに関連して、セーブシステムの欠点も書いておく。このゲームでは、敵に倒されると1つ前のセーブデータから再開するのだが、倒される寸前まで集めていたアイテムや倒した敵は全て無かったことにされる。おまけにチェックポイントの間隔も長いため、時間が無駄になることがよく起きる。

スキルシステムも、やはり不満が残る。というのも初期状態の主人公があまりにも貧弱なので、まずは基礎能力を上げることが優先になり、スキル選択の幅が偏りがちになるのだ。後半、ないしは2周目から自由にスキル振りが出来るようになるという印象がある。

最後は各所で散々指摘されている初見殺し系トラップだが、これは”大災害級の”ひどさ。突然目の前に敵が現れたと思ったら、一撃で倒されてリスタートになったり、何だかよく分からない巨大なミキサーに巻き込まれてリスタートになったりと、とにかく”理不尽な死”が非常に多く、既述したセーブシステムの欠陥と合わせてヒドイことになっている。

苦労しながら進めたにも関わらず、一方的なトラップの餌食になり、それまでの苦労が一瞬で無になる光景を目にしたプレイヤーは、そのとき一体何を感じるだろうか…。

クリエイターの個性が光るサバイバル要素は面白い。しかし、レベルデザインや操作性はあまりにもお粗末で、14年発売の大作ゲームとは思えないほど粗く、プレイヤーは恐怖ではなくストレスに耐える必要がある。

総評

ときどきある面白い瞬間を求めて、苦痛な道程を進み続ける作品。ホラーもの特有の「恐怖」に耐える力よりも、数え切れないほどのストレスに耐える「忍耐力」が一番に求められる異色作。

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