原題 | The Evil Within |
対応機種 | PC,PS4,Xbox One etc |
プレイ/クリア時間 | 15時間~ |

硬派なサバイバルホラーゲーム。
長期的な視点でリソース管理させるシビアなゲームプレイと、個性的なクリーチャーとの戦闘が面白い。ただ、全体的に粗粗しい。
紹介
どんなゲーム?
「バイオハザードの生みの親」とも言われる三上真司氏が送るサバイバルホラーゲーム。
したがって、全体的に“バイオハザードという言葉を使わずに作ったバイオハザード”という作風になっており、中でも『バイオハザード4』との共通点は多い。
▼バイオとの共通点▼
- 敵となるクリーチャー
- QTEの多用
- 死んで覚えろ的な設計
- やり込んでナンボ
この辺りは、「バイオハザード」でも好き嫌いが分かれるポイントかと思うが、タイトルは変われど本作にも登場している。
ただ、「バイオハザード」とは違って1本道を進むゲームになっており、パズル要素もほとんどない。
DLCの有無
本作向けに3つのDLCが配信されている。
これらは本編のストーリーを補完するものになっており、一緒にプレイした方が良い。
▼レビュー▼
サイコブレイクのストーリー
評価
【Pros】硬派なサバイバルホラー
挑戦的なゲームデザインは非常に面白い。
まず、本作はサバイバルホラーゲームに分類される作品。
なので、基本的には限られたアイテムをやりくりして進めていくゲームになっており、”長期的な視点”でリソース管理することが不可欠だ。
このゲームでは、強力なアイテムが残っていれば瞬殺できるボスでも、それが無ければ倒すのに苦労するということがよく起きるので「管理する」ことの重要性が高く、常に張り詰めた緊張感が漂っている。
なお、『バイオハザード4』と同じくエリア内の仕掛けを活用した攻略も可能で、敵をトラップに誘導したり、おびき寄せて「ステルスキル」することでアイテム消費が抑えられる。
- 長期的な視点に立ったリソース管理
- アイテム消費を抑える立ち回り
決して万人受けするゲームではないが、本作の挑戦的なゲームデザインは非常に魅力的である。
難易度は高い方
基本的に「死にゲー」的な面が強い。
例えば、初期の主人公は頭を抱えるほど貧弱で、10mのダッシュすらままならず、おまけに銃の精度も相当低いので、ゲームの立ち上がりは相当苦労する。
また、「一撃死」が多いゲームでもある。
なので、総じて難易度は高いと感じる。
一応、最低難易度「カジュアル」は用意されているが、その難易度でプレイしてもラクなゲームではない。
【Pros】充実したスキル要素
主人公が貧弱な分だけ、スキルの存在は大きい。
なので、【敵を倒す】=>【グリーンジェル(スキルアップに必要)を回収する】=>【スキルアップする】のサイクルはこれ以上ないほど面白い。
また、長期的な視点で主人公を育成していく点もやりがいがある。
ただし、序盤は基礎体力アップに偏りがち
というのも、すでに述べた通り初期状態の主人公はあまりにも貧弱。
なので、まずは基礎能力を上げることが優先になってしまい、序盤から中盤はスキル選択の幅が偏りがちになる。
【Cons(欠点)】製品としてのクォリティ
今では修正されたが発売当初は
- 【解決】レターボックスが強制表示
- 画面上限に黒帯が入る
- FoVが狭い
- 【解決】初心者向けの難易度が用意されていない
などの問題を抱えており、プレイアビリティは相当低かった。
PC版では解決できる
- FoVは外部ツール「Flawless Widescreen」で調整可能。
- ロードは短時間で終わる。
【Cons(欠点)】即死系トラップ
理不尽な「死にゲー」。
突然目の前に敵が現れたと思ったら、一撃で倒されてリスタートになったり、何だかよく分からない巨大なミキサーに巻き込まれてリスタートになったりと、とにかく”理不尽な死”が目立つ。
なお、このゲームは「死にゲー」にもかかわず、リスタート周りの配慮が足りない。
再開ポイントの間隔が長かったり、”演出の前から再開するので”リスタートする度に一度見た演出を見させられたりする。
苦労して先に進んだものの、一方的なトラップの餌食になり、それまでの苦労が一瞬で無になる…。そんな光景を目にしたプレイヤーは一体何を感じるだろうか…。
総評
良くも悪くも三上真司氏の色が出た作品。
クリエイターの個性が光るサバイバルホラーはさすがによく練られており、ボス級クリーチャーのビジュアルも個性的で見応えがある。ただ、一方で「理不尽な死にゲー」や「不親切なチェックポイント」などの問題も抱えている。
決してクソゲーではないが、その逆でもない。
サバイバル要素は文句なく面白いのだが、それ以外の部分がその良さを殺している。
続編>>>サイコブレイク2 レビュー