原題 | Dante’s Inferno |
対応機種 | PS3,Xbox(互換対応) |
プレイ時間 | 8時間~ |
ストーリー | 十字軍の戦士だったダンテは、従軍中に神の名のもと数々の悪事に手を染める。自身の罪と向き合いながら最愛の妻であるベアトリーチェを救うべく、たった一人で地獄を降っていく。 |
『ダンテズ・インフェルノ~神曲 地獄篇~』は、2010年に発売されたアクションゲーム。開発は『デッドスペース』で一躍人気スタジオになっていた「Visceral Games」。
評価
※Xbox Series Sでプレイしました
2005年に発売された『ゴッド・オブ・ウォー』は、ギリシャ神話をテーマにした壮大なゲーム世界で、敵を徹底的に叩いていく激しい戦闘が好評を得た作品。PS2で大ヒットしたあとはシリーズ化され、現在では、「PlayStation」の人気シリーズの一つになっている。
今回遊んだ『ダンテズ・インフェル』は、そんな『ゴッド・オブ・ウォー』に非常によく似たゲームだった。
EA産ゴッド・オブ・ウォー
「ゴッド・オブ・ウォーのスピンオフ」と言われても信じてしまうほど、それとの共通点は多い。基本的な操作方法はほぼ同じだし、ゲームの進行も同じ。体力を回復したり、主人公をアップグレードしたりする方法も似ていて、遊んでいると「そう言えばゴッド・オブ・ウォーもそうだった」と記憶が蘇ってくるほど。
ゲームでは、地獄をテーマにしたステージを順番に攻略していく。そのステージは、戦闘やパズル、アスレチック的な難所で構成されていて、しつこいようだが、『ゴッド・オブ・ウォー』と同じスタイルで、同じように遊ぶ。
正直、既視感満載。ただ、ゲーム自体は遊べる方。パズルは凝ったものが多く、アスレチック的な難所も、落下死が多発するが、その分だけスリルあるジャンプアクションが楽しめるというように、元ネタの特徴は上手く再現されていて、意外と手堅く遊べる。
肝心の戦闘も、同じ理由でちゃんと遊べる。本作の戦闘は、攻撃や防御と言った基本動作に加えて、やや複雑なコンボの組み合わせになり、クレイトスのように武器(こっちはナタ)を振り回して敵を豪快に斬り倒していく。戦闘の爽快感だったり、スピード感だったりは、さすがに「ゴッド・オブ・ウォー」の方が優れているが、こっちも斬る感触は悪くなく、技や魔法も多彩で、これはこれでよく出来ている。
また遊びたいとは思わないが、クリアまで遊ぶ分には楽しい。
ついでに難易度についても書いておくと、そこまで高くない。最初は苦労するかも知れないが、スキルが充実してくると一方的に敵を叩くことができるようになる。スキルには「暴虐」と「神聖」の二つのルートがあるのだが、「神聖」の方は体力回復系が充実していて、こっちを集中的に強化すれば、大抵のプレイヤーはある程度余裕を持って遊べるはず。
もっと言えば、「神聖」ルートの場合、十字架攻撃がかなり強いので、これを連射しているだけで何とかなる。無制限に連射できて攻撃力も高く、スキルによってはそれで回復までできてしまうので、遠距離からBボタン(○ボタン)を連打しているだけで突破できる戦闘も多い。
全体的に、戦闘が難しくて詰むことがないように配慮されている印象。プレイ中でも難易度は変更できるので、仮にボス戦で詰まってしまっても、難易度を下げることで突破できるくらい色々と甘い。
終盤に息切れして、尻すぼみ
ラスボス戦の直前に謎のチャレンジステージが10個も登場する。これらのステージでは「魔法のみで戦う」「8秒間空中にいる」など、様々なチャレンジを達成していくのだが、ここだけ別のゲームモードになっていて、全く気分が乗らなかった。
はっきり言ってしまえば、“開発途中に息切れして、とりあえず空白を埋めるために入れた”ような内容。私はこの手のチャレンジ系に興味がないので、モチベを維持して遊ぶのが大変だった。これだったらさっさとエンディングまで行ってくれた方がマシだと思った。
攻略メモ
「8秒間空中にいる」は、QTEを利用すれば簡単に達成可能。敵にある程度ダメージを与えると必殺技のQTEが発生する。このときに「罰する」を選ぶと主人公が敵に乗りかかる場合がある。その際、主人公の足が地面から浮くので、ゆっくりQTEのボタン入力をすれば”8秒間空中にいる”状態になる。これで達成可能。
総評
最後のアレを考慮しても、それなりに遊べる”ゴッド・オブ・ウォーっぽいゲーム”。発売時は『ゴッド・オブ・ウォーIII』との直接対決になってしまい、その時はかなり分が悪かったと思うが、今となれば、堅実な”EA産のゴッド・オブ・ウォー”として見ることができ、この手のゲームを探している人にとっては、十分選択肢に入る作品だと思う。
「ゴッド・オブ・ウォー」はひと通り遊んだ上で、「まだ遊びたい」と思った人にはお勧めできる。
ちなみに、最後に”to be continued”とあったが、続編は望み薄。一応、本作での出来事には一区切り付くので、ストーリーが中途半端で投げ出されることはないが、続きを匂わせる終わり方ではあり、そこは注意点として挙げておく。