原題 | BioShock Infinite |
対応機種 | PC,PS4,Xbox One,スイッチ |
プレイ/クリア時間 | 15時間~ |
ストーリー | 1912年
“少女を連れ戻せば借金を帳消しにする”という誘いに乗り、主人公・ブッカーは天空都市【コロンビア】に足を踏み入れる。 【コロンビア】の支配者・カムストックに”偽りの羊飼い”の烙印を押されたブッカーは、迫りくる敵と戦いながら少女・エリザベスを捜索する。 |
👍Good
- ストーリー
- 手堅いシューター
- “まるでテーマパーク”な天空都市「コロンビア」
👎Bad
- ティアやスカイフックはあまり使い所がない
紹介
天空都市【コロンビア】を舞台にしたストーリー主導型FPS。
- FPS
- リニアなゲーム進行(オープンワールドではない)
- 凝ったストーリーと舞台
などが特徴として挙げられる作品。
なお、『バイオショック』『バイオショック2』に次ぐシリーズ三作目ではあるが、今作に限ってはほぼ独立した作品になっている。
評価
【Pros】FPSとして面白い
『バイオショック』『バイオショック2』に比べると、今作はシューターライクな作風になっており、とにかく撃って撃って撃ちまくる点が特徴。
過去作ではバールやドリルが大活躍したものだが、今作は銃を持った敵ばかりなので必然的にこちらも銃を持って戦うことになり、常に銃声が鳴り響いている。
- 過去作とは異なり、シューティング要素が強い
さて、今作ではFPS化に併せてシューティング面が刷新されている。
過去作とは違い、銃を撃てばその反応が挙動や敵のリアクションとして正確に返って来るし、ジリジリと減っていく敵の体力メーターも”攻撃が確実に効いている”という手応えを生む。
さらに、乾いた銃声も心地よく、アニメーションやエフェクトはFPSに求められる水準に達しており、ちゃんとメリハリが付いている。
- 今作ではFPS要素が強化されており、シューティングの手触りは大きく改善されている
一方で「バイオショック」的な部分も残されており、過去作に登場した【プラスミド】と【アダム】は、リニューアルされた上で【ビガー】と【ギア】として再登場。
また、バールは【スカイフック】に置き換わっており、近接攻撃に加えて頭上のレールを高速移動する機能が追加されている。
新要素としては【ティア】が用意されており、その場にないものを出現させられる。
今作の戦闘は─
- FPS
- ビガー
- スカイフック
- ティア
の組み合わせになっており、全てが機能した瞬間はハイテンポかつ白熱した戦闘が楽しめる。
後半は特に面白い
前半はプレイヤーの火力が敵を上回っており、正直「今回もヌルい」と思っていたが、後半はプレイヤーと敵の火力が釣り合う。
後半の【ビガー】【スカイフック】【ティア】を総動員するゲームプレイは非常に面白く、派手で、目まぐるしく状況が変化する”インフィニット”的なアクションが存分に味わえる。
「難易度をハードや1999に上げて遊べばよかった」と後になって後悔。
【Pros】エリザベスは”邪魔をしない”
今回は一部を除いて常にエリザベスがプレイヤーに同行する。
プレイヤーに同行するキャラクターというのは、往々にしてストレスの種になることが多く、ウロチョロしたり、射線に入ったりして邪魔になったりするもの。
その点、エリザベスは優秀なパートナー。
よくあるバディ要素とは異なり、エリザベスは常に”一歩引いてプレイヤーを見守る”というスタンスを取っており、いざ戦闘になっても加勢せずにサポート役に徹する。
加勢しないものの、エリザベスは次々と弾薬や回復アイテムを投げて来てくれる上に、敵の種類や位置も定期的に知らせてくれるので、いる、いないでは大違い。
また、探索時も、エリザベスはプレイヤーの周辺で自由に活動しているが、探索すべき場所を示し、コインなどを投げてくれるので、やはり、いると心強い。
エリザベスは”その場にいるが、いない”。
こうした“一歩引いてプレイヤーを見守る”というエリザベスのスタンスは、ヘタに動き回って悪目立ちすることを防ぐし、エリザベスという存在をプレイヤーにとってポジティブなものにしてくれる。
奇しくも、同年に『ラスト オブ アス』というアクションゲームが発売されており、そのゲームにもエリーという非常に優秀なコンパニオンが存在するが、全くタイプが異なるコンパニオンとして今作のエリザベスも実に優秀だ。
【Pros】簡略化されている
▼今作でリストラされたもの▼
- ハッキング
- 弾薬の種類
- 様々な武器
=持ち運べるのは2種類のみ - アダムの採取
- エリア間の往復
- ランダム性をもった敵 など
ご覧の通り、今作では”初期作品を象徴する”数多くの要素がリストラされており、『バイオショック』や『バイオショック2』と比べると寂しいことになっている。
今作の大胆なリストラはシリーズの熱心なファンからすれば言語道断かも知れないし、私はそうした意見があるのも十分に理解できる。
しかし、過去作での銃や弾薬の使い分けだったり、ハッキングだったりがあまり好きではなかった私からすれば、今作は余計なものがなくて非常に遊びやすい。
今作の直線的(とは言っても他の直線的なFPSほどではない)なゲーム進行も、”過去作のようにエリア間を往復しつつ復活した雑魚と何度も戦う”ことを思えば十分に許容できる。
今作の大胆なリストラは、私にとってはプラスに働いており、やるべきことが減ったことでシューティングとストーリーに没頭できる。
【Cons(欠点)】ティアやスカイフック

まるでジェットコースターのよう。
【ティア】や【スカイフック】が戦闘で活きて来るのが”後半になってから”なので、目玉要素の割りにはあまり積極的に活用されていないように感じた。
総評
ストーリー主導型FPSの中でも指折りの一作。
「バイオショック」を象徴する要素はバッサリと切り捨てられているが、一方でFPS/アクションゲームとしては非常に完成度が高く、このレベルの作品はそう多くない。
手に汗握るユニークな戦闘と、見たことのない世界に連れて行ってくれるストーリーの両方が楽しめる一作になっており、今回も期待を裏切らない。
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