原題 | BioShock Infinite |
対応機種 | PC,PS4,Xbox One,スイッチ |
プレイ時間 | 15時間~ |
ストーリー | 1912年。”少女を連れ戻せば借金を帳消しにする”という誘いに乗り、主人公は天空都市「コロンビア」に足を踏み入れる。 |
今作は、2013年に発売されたメインシリーズの3作目。『バイオショック』『バイオショック2』と来た三部作を締めくくる作品になる。現在ではまとめて『バイオショック コレクション』に収録されている。
評価
よりFPSなバイオショック
『バイオショック』『バイオショック2』に比べると、今作はシューターライクな作風。過去作ではバールやドリルが大活躍したものだが、今作では銃を持った敵ばかりなので、当然こちらも銃を持って戦うことになり、常に銃声が鳴り響いている。
- 過去作とは異なり、シューティング要素が強い
ただ、他のFPSとは違うところも多い。過去作と同じように、さまざまな特殊能力が使えるので、それを組み合わせれば”バイオショック風味”のFPSとなり、初登場のスカイフックも使いこなせば、立体的でハイスピードなシューティングゲームに変貌する。加えて、同行するエリザベスとの共闘も、一人で淡々と敵と戦っていた過去作を思うと、バイオショック的には新しい体験になる。
なお、肝心の撃つ感覚は良好。銃声や反動などは問題なく、FPSとして十分楽しめるレベルだと思う。
エリア構造の変化
今作では、戦闘と探索がきっちり分かれている。以前は戦闘と探索が一緒だったので、常に緊張感があったが今回は探索パートがちょうどいい休息ポイントになっており、これまでよりも遊びやすく感じた。
また、割りと直線的なエリア構造で、アトラクションを順に見て回るような作りなのも特徴。エリアを行き来して、じっくり探索する面白さは薄れているが、個人的には、これはこれで行くべき場所がはっきりしていて悪くないと思った。
強いて言えば、もっと使いたい
「ティア」や「スカイフック」が戦闘で活きて来るのが”後半になってから”なので、目玉要素の割りにはあまり積極的に活用されていないように感じた。
【追加ストーリー】ベリアル・アット・シー
「ベリアル・アット・シー」は、『バイオショック インフィニット』の追加ストーリー。エピソード1とエピソード2の二部構成になり、再び舞台をラプチャーに戻し、インフィニットと一作目を繋ぐストーリーが展開される。
それぞれの見所としては、エピソード1は崩壊前のラプチャーを探索できること、エピソード2の方はマトモなステルスプレイが導入されたところ。エピソード1でやることは、本編とほとんど変わらないが、対してエピソード2の方は、非常にステルス色が強く、シリーズの中でも異色の作品。
エピソード2では「床の材質によって足音が変化する(=それで敵に察知される)」「麻酔矢を始めとした非殺傷系の武器が追加された」など、色々とステルスゲーム仕様になっている。今回は主人公の体力が低く、アイテムもカツカツで、太刀打ちできない敵としてビッグダディも徘徊しているので、基本はステルスプレイでひっそりと遊ぶことになる。
ただ、ゲーム自体はそこまで難しくない。お馴染みの特殊能力に加えて、敵を透視したり、姿を一時的に消したりが可能で、かつ敵の視線もアバウトなのでステルス維持は難しくない。他のゲームで言えば、”バイオショックのフィルターを通した”『ディスオナード』に近く、私にとってはほどよいスリルが味わえるステルスプレイになる。
「ベリアル・アット・シー」は追加ストーリーとは思えないほど充実した内容。ストーリーが必見なのはもちろん、ステルス風のゲームプレイもよく出来ていて、本編とセットで絶対に遊んでおきたい。
総評
ラプチャーとは対照的な世界であること、かなりFPSに寄った作風であることは注意だが、そこを割り切れるのあれば、独創的で面白いFPSになっている。ストーリーも、主人公の贖罪と楽園の没落を”バイオショックらしい”切り口から描いていて、ここまでストーリーと演出がキマったゲームもそうないだろうと思う。
手に汗握るユニークな戦闘と、見たことのない世界へと連れて行ってくれるストーリー。その両方が楽しめる作品になっており、今回も期待を裏切らない。