原題 | The Saboteur |
開発元 | Pandemic Studios |
対応機種 | PC,PS3,Xbox 360 |
クリア時間 | 12時間~ |
ストーリー | ナチス占領下のパリ。ナチに親友を奪われた主人公は、地元のレジスタンスなどと協力しながら、ナチを狩っていく。そして、主人公の活躍がパリ解放へと繋がっていく。 |
本作は、2009年に発売されたオープンワールドゲーム。『マーセナリーズ』の開発元が手掛けたもう一つのオープンワールドゲームになる。
※GOG版は現在のPCでも遊べるようにバグ修正済み。それ以外のバージョンは同様の対策をした上でプレイする。
評価
パリでやるGTA?マーセナリーズ?
簡単に言えば、パリを舞台にした「グランド・セフト・オート」。
“マップには、ミッションや寄り道要素などがあり、それらを、いま遊べる範囲で好きな順番に遊んでいく”というお馴染みのゲームになる。
ただ、「マーセナリーズ」と同じく、ミッション攻略における自由度が比較的高く、ここは「グランド・セフト・オート」との違いとして挙げられる。
大半のミッションは、目標のみが指定されていて、どのように遊ぶかはプレイヤー任せになっている。
本作では、「ヒットマン」のように、敵兵に変装することでステルス状態になれるので、そうしたステルスプレイと、「マーセナリーズ」のような大暴れを使い分けて、ミッションを自分なりに遊んでいくことが出来る。
また、「アサシンクリード」のようなクライミングも用意されており、それも駆使することで、エリア全体を活用した様々な攻略法に挑戦することも可能。
たしかに、「マーセナリーズ」ほどの破壊は楽しめないし、ステルスプレイやクライミングに関しても、元ネタほど本格的なものではない。
しかし、どの要素も”つまみ食い”しながら遊ぶ分にはよく出来ており、それらを組み合わせて遊ぶのは、かなり楽しい。敵が多いのでステルスプレイで遊んでみたり、警備が厳重なので、屋根からターゲットのみを狙撃してみたりなど、遊びの幅が広く、色々と考えて遊ぶ楽しさがある。
「マーセナリーズ」や「ヒットマン」、「アサシンクリード」のいいとこ取りと言える。
一応、難易度にも触れておくと、そこまで高くない。
主人公の耐久性が高く、アバウトなエイムでもOKで、全体的に”暴れやすい”バランスになっている。ステルスも、”変装した上で、敵の視界に入らなければ発見されない”というように、甘めのステルスになっている。
アクションもステルスも扱いやすく、気軽に楽しめる。
ナチを撃退してパリを解放
オープンワールドゲームとしては、中規模な作品になる。
破壊すべきナチの施設(見張り台やスピーカーなど)は、エグい数が用意されているが、ミッションは、サブもすべて遊んだとしても15時間ほどで終わるので、ボリュームはほどほど。個人的には、ミッション内容にそこまで変化があるゲームではないので、これくらいが丁度良いと感じたが、大作のオープンワールドゲームくらいのものを期待すると、肩透かしを喰うかも知れないので注意。
ストーリー性のあるサブミッションに、ストリートレース、収集物などはあるので、コンパクトにまとまった「グランド・セフト・オート」のようなゲームだと思えば、どんな内容か想像しやすいと思う。
ちなみに、ゲーム世界はゲームの進行に合わせて色を取り戻していく。
ナチスの影響力が強いエリアでは画面が白黒になり、ミッションをクリアして、それを排除すると一帯に活気が戻ってくるという仕組み。
ストーリーを進めた結果が分かりやすくゲーム世界に反映されるユニークな演出になっている。
総評
本作は、人気作の特徴的な要素をコンパクトにまとめた良作。
それぞれの要素は、”見たことあるやつ”なのだが、それらを一つのゲームにまとめることで、本作ならではのゲームプレイを実現している。2009年発売だが、「グランド・セフト・オート」っぽいゲームを探している人にとっては、今でも十分選択肢に入る一作になっている。
なお、開発元の「Pandemic Studios」は本作が発売される前の月に閉鎖しているため、本作が最後の作品になってしまった。
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