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【評価・感想】『The Order:1886(ジ・オーダー1886)』レビュー

ゲームレビュー
ゲームレビュー
この記事は約5分で読めます。
原題The Order:1886
対応機種PS4以降
プレイ時間7時間~
ストーリー1886年のロンドン。栄華を極めた大英帝国。しかし、その裏では”半獣”と呼ばれる化け物とそれに立ち向かう騎士団の戦いが起きていた。

本作は、2015年に発売されたTPS。PSP向けの「ゴッド・オブ・ウォー」で高評価を得た「Ready at Dawn」が、初めて手掛けたオリジナルタイトルになり、もう一つの産業革命期のロンドンと、それを表現する圧倒的な映像美が話題を呼んだ一作になる。

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著者情報
Kakihey

2014年末より当サイト「Kakihey.com」を運営中しています。現在までに300本以上のゲームレビューを公開しています。基本的にPCでゲームを遊んでいます。

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評価

※久しぶりに再プレイしたので、レビュー記事を加筆修正しました

無難に遊べるシューター

ゲームは「ギアーズ・オブ・ウォー」に代表されるカバーシステムを採用したTPS。遮蔽物に身を隠し、そこから敵を攻撃していく撃ち合いが基本で、はっきり言ってしまえば”よくあるやつ”。同じタイプのTPSでも、「アンチャーテッド」だとエリアを走り回って戦えたり、『バイナリードメイン』だと部位破壊があったりして差別化されていたが、本作の場合は、シンプルに真正面の敵と撃ち合う戦闘が続く。

一応、スチームパンクな銃や『レッド・デッド・リデンプション』の早打ちのような技も用意されているので、無個性というわけではないのだが、それらを使う機会があまり無かったこともあり、遊んでいるときの感触は、オーソドックスなTPSというものだった。本作の場合、所持できる銃がメイン武器とサブ武器のみなので、ユニークな銃よりも”使い慣れた銃”を選択することが多く、結果的に本作ならではの戦闘を楽しむ機会が減ってしまったように思う。

ただ、「目新しさはない」とは言いつつも、特に不満もなかったりする。銃声や反動、カバーシステムなど、シューティング部分は堅実な作りをしており、撃つ感覚は良好。敵との撃ち合いも、ショットガン兵やスナイパーの存在によって、無茶すると倒されるバランスになっていて、程よく白熱している。決してメインを張れるわけではないが、ゲームのいち要素として十分機能していると言える。

なお、本作にはステルス要素もある。しかし、これはあくまでもそれ専用のステージで使用するものになり、アクションでもステルスでも遊べるわけではない。そのステルスは、お手軽さを重視した作り。ステルスキルできるクロスボウやテイクダウンを上手く使えば、エリアは楽に制圧できる。ただ、(確認した限り)発見されると即ゲームオーバーという作りなので、そこは割りとシビアな塩梅になっている。

全体的にアクションゲーム、TPSとしては無難に手堅く遊べる。「本作だけの」が少ないので、あまり書くことはないのだが、少なくともTPS好きの私からすれば、最後まで楽しく遊べるものだった。

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TPS以外の部分は最低限

シューティングを除くと、ゲームは色々なものが最低限に収まっている印象を受ける。戦闘の合間には探索する時間が用意されているが、基本的には狭い一本道から逸れることはできないし、たまにあるクライミングやミニゲームも非常に簡素な作りをしている。

そして、これは半獣との戦いにも言える。本作では人間以外に半獣と呼ばれるミュータントとも戦うのだが、その方法が”一直線に突進してくる半獣を撃ち、とどめを刺す”だけで、ボス戦に関してもQTEのみで終わってしまう。デッドスペース2』にも半獣とよく似た戦闘が登場していたが、あっちはトラップを仕掛けて効率的に倒すなど、プレイヤー側で工夫できる余地が残されていたが、こっちは同じ戦法を最後まで繰り返すことになる。

シューティング以外の遊びや半獣との戦いが簡素なのは、良く言えば、ストーリーを進めるのを邪魔しないと言えるのだが、そうした部分に面白さを求める場合は、肩透かしを食う可能性が高い。私はボス戦をあまり重視しないタイプなので、QTEだけでも特に不満はなかったのだが、半獣との戦いは、せっかくユニークな銃が用意されているので、もう少しパターンがあっても良かったと思う。

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レターボックスは”邪魔”

個人的に、プレイ面でもっとも気になったのは画面上下にある黒帯。グラフィックの質を上げるため、映画的な雰囲気を出すためだと思われるが、アクションやステルスで遊べるゲームでこれは遊びにくい。特にカバーに入った状態だと、”視野が狭くなる&黒帯”で周囲を把握するのが難しくなり、遊んでいてストレスを感じた。

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総評

“長編映画を遊ぶ”くらいの感覚でプレイすると、楽しめると思う。ムービーだと思っていたらプレイが始まっていた時があったほど、”映画”と”ゲーム”はシームレスに行き来し、「映画のようにストーリーを語ること」「アクションゲームのように遊ぶこと」の二つは、ちゃんと両立されている。

しかし、それはストーリーや演出に合わせる形で、ゲームプレイに制限を課すことで実現しているところがあるので、一つのアクションゲームとしては、物足りなさを感じる。そうしたゲームなので、”長編映画を遊ぶ”くらいの感覚でプレイした方が、プレイ面に過度に期待せずに済んで良いと思う。

ただし、映画感覚で遊ぶ場合、ストーリーが完結しない点は注意。一応、本作での出来事には一区切り付くのだが、全体のストーリーからするとそれは小さな出来事に過ぎず、「戦いはこれから激しさを増す」というところで終わってしまう。そして、未だに続編はなく、噂にも上がらない。

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