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【評価・感想】『マーセナリーズ』レビュー

ゲームレビュー
ゲームレビュー
この記事は約5分で読めます。
原題Mercenaries: Playground of Destruction
対応機種PS2,Xbox(互換)
プレイ時間時間~
ストーリー北朝鮮の最高指導者チョイ・キムが韓国との和平に動き、平和的な朝鮮統一が実現しようとしていた。しかし、チョイの息子がその計画に反対し、父親であるチョイを殺害する。実権を握った息子は、朝鮮統一案を破棄し、世界に自らの力を顕示しようとする。

本作は2005年に発売された「マーセナリーズ」シリーズの一作目。

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著者情報
Kakihey

2014年末より当サイト「Kakihey.com」を運営中しています。現在までに300本以上のゲームレビューを公開しています。基本的にPCでゲームを遊んでいます。

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評価

PS2日本語版をPCSX2で遊びました

戦場×グランド・セフト・オート

本作は、簡単に言えば、ミリタリー要素の強い「グランド・セフト・オート(以下GTA)」。

舞台となる北朝鮮は、GTAに登場する街のように、完全にオープンワールド化されており、GTAと同じように、その中で自由気ままに遊ぶことができる。北朝鮮は、正直、どこまで再現されているかは不明だが、”ピョンヤン”や”ヨンビョン”など、ニュースで聞く場所が存在していたり、プロパガンダ用のハリボテの村があったりするなど、それっぽい雰囲気は上手く演出されたマップになっている。

そんなマップには、敵である北朝鮮の反乱軍に加えて、主人公に汚れ仕事を発注してくれる国連軍や韓国軍、中国軍、ロシアンマフィアと言った勢力が存在する。それぞれが自分たちの支配地域を持っており、パトロールしたり、反乱軍と戦ったりしている。

主人公は傭兵なので、どこかに所属することはない。

特定の陣営に肩入れすることなく、報酬のために、各陣営の仕事を請け負っていく。仕事の中には、さっきまで一緒に戦っていた陣営に対して、壊滅的な被害をもたらすものもあるが、そこは割り切って淡々とこなしていくしかない。陣営を行ったり来たりして戦っていると、居心地の悪さを感じる瞬間もあるが、そこは”mercenary(傭兵)だから”とシビアに一線を引く。

ただ、あまりやり過ぎると、その陣営との友好度が悪化してしまうので、バランス感覚は重要だ。ミッションの結果や遊び方によって、友好度は大きく変化し、最後には発見されるとすぐに攻撃される状態になり、ミッションも受けることが出来なくなる。友好度自体は、お金を払えばある程度まで回復するが、下手に邪魔されると面倒なので、友好度を良い具合に保って遊んでいくことが望ましい。

このように本作では、戦場で、傭兵ごっこをする。

この手のゲームは、特にPS2時代のゲームであれば尚更、GTAとの比較は避けられないが、本作はオープンワールドの舞台として戦場を用意し、その中で傭兵としてロールプレイさせることで、それと上手く差別化している。

ウリは自由度の高さ

本作最大の長所は、攻略における自由度の高さ。

例えば、GTAだと、オープンワールドでは自由に行動できるが、ミッションになると、ある程度演出に沿って行動しないといけないことが多いが、本作の場合は、そうした縛りがほとんどない。

どのミッションも、目標だけが指定されていて、それをどのように達成するかはプレイヤーの自由になる。

敵の車両に乗ってステルス状態になり、そのまま敵陣の中心部まで行っても良いし、攻撃ヘリに乗って、上空からミサイルで攻撃しても良い。また、空爆や砲撃などを要請することも可能で、敵がいる範囲を絨毯爆撃して、一気にケリを付けることもできる。

タイトルに”破壊の遊び場”とあるように、本作は、目標に対して、プレイヤーが思うままに遊んで良いというゲームになっている。しっかりと作戦を立ててスマートに大暴れするのはもちろん、わざと危機的な状況を作り出して、アクション映画のワンシーンを実演しても良く、遊び方は、完全にプレイヤーに委ねられている。敵の攻撃をかいくぐってヘリを着陸させ、仲間を拾って離陸したシーンは、昔見たミリタリー映画のワンシーンそのものだった。

こうしたオープンワールド全体を活用した自由度の高い遊びは、本作のもっとも面白いところになり、長所になっている。

難易度について触れておくと、全体的にカジュアル寄り。

主人公の体力が高めで、戦闘のど真ん中にいてもしぶとく生き残る。撃つ際も、アバウトなエイムでOKと、かなり割り切ったバランスになっている。

他にも、お金がある限り、空爆などはいつでも要請できるし、物資やビークルの配達に関しても同様で、プレイヤーへのサポートが充実している。

アクション映画の主人公のように、派手に遊べる。

52人の賞金首をDead or Alive

これはサブ要素だが、本作に欠かせないものだと思ったので、書いておく。

本作には、サブ要素として”52人の賞金首を探し出して対処する”遊びが用意されている。

メインミッションを進めると、賞金首の情報が手に入るので、それをもとに探し出して、あとはキルするか、生け捕りにするかで対処する。

これ自体は他のゲームでもよくある遊びなのだが、本作の場合は、賞金首一人ひとりを反乱軍の重要メンバーとすることで、”反乱軍を弱体化させるために遊ぶ”という動機を作っている点が面白い。全員を排除しても、ストーリーやゲーム世界がダイナミックに変化することはないが、残党を残すとモヤモヤするので、きっちり遊びたくなる。

サブ要素だが、ちゃんとストーリーと絡めており、取ってつけたようなものじゃないのが良い。また、賞金首全員に名前や経歴が用意されているのも、仕事が丁寧で印象が良い。

ちなみに、「なぜ、賞金首は52人なのか」と言うと、それは賞金首をカードのトランプに見立てているから。賞金首はそれぞれ「ダイヤ」「スペード」などに分類されており、カードを一枚ずつ引くように賞金首を狩っていく。

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総評

GTAとはまた異なる”自由”を実現したオープンワールドゲームのもう一つの名作。

ロード時間や描写距離の短さと言った当時のゲーム機のスペックによる制約を除くと、2004年発売にもかかわらず、驚くほど持ち堪えており、オープンワールドでの遊びは、今でも全く色褪せていない。

この頃のオープンワールドゲームは『グランド・セフト・オート サンアンドレアス』があまりにも有名だが、その半分くらいは語られても良いゲームだと思う。

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