原題 | Hitman Codename 47 |
対応機種 | PC |
プレイ時間 | 11時間~ |
ストーリー | 謎の声に導かれ、謎の施設を脱出したAgent 47。その後、彼は闇の機関である”ICA”のもとで、暗殺者としての生活を始める。依頼をこなしていく中で、自身の出自にまつわる陰謀に巻き込まれていく。 |
本作は、2000年に発売された「Hitman」シリーズの一作目。
評価
Hitmanらしさも感じる初代
「Hitman」と言えば、”自由度の高い暗殺”が一つのウリだ。
『Hitman Absolution』という例外はあるが、ほとんどのシリーズ作品で共通しているのは「比較的広いエリア内で、ターゲットを様々な方法で暗殺できる」こと。背後からサプレッサー付きのピストルで撃っても良いし、遠くから狙撃してしまっても良い。自分なりの方法でクリアできるゲームになり、そうした創造的な遊びが出来る自由度の高さは、他のステルスゲームと比べても、ひときわ目立つ長所になっている。
その”自由度の高さ”は、本作の時点ですでに存在する。
一部のミッションは、シリーズファンにとってはお馴染みの作りをしている。例えば「九龍の抗争」や「取引のルール」などは、”ターゲットや目的のみが指定されていて、あとは自由に遊んで良い”というスタイルで、実にHitmanらしい遊びが楽しめる。
本作”最難関ミッション”とも評される「プルトニウム」でも、ターゲットの行動パターンを逆手に取って、わざを騒動を起こして逃走ルート上で待ち伏せすることで、少しは楽にクリアできたりするなど、遊びの幅が広い。
原住民のために財宝を回収するだけのミッションなど、シリーズ的には変わったミッションも多いのだが、その一方で、”Hitmanの原型”とも言えるミッションも存在し、本作の時点でシリーズの骨格がある程度出来上がっている。
今振り返ってみると、ポテンシャルの塊のようなゲームだったと言える。
あまりにストイックな初代
リブート版『Hitman』は、ミッション中でも無制限にセーブできるし、他の「Hitman」も回数制限付きでセーブできるが、本作はそれが出来ない。
基本的には一発勝負で、ミスしても自分で取り返さないといけない(まあ取り返せないが)。いくつか手順を踏むミッションであっても、ゲームオーバーになるとまた最初からやり直しになる。丁寧に下準備したのに、些細なミスで台無しになるとガックリ来る。一部、途中から再開できる箇所があるが、敵に発見された状態から再開になるので、さっさとやり直した方が早い。
たしかに、ほとんどのミッションには”イージーにクリアできる”方法が用意されている。
ただ、それを見つけるまでは、途中セーブなしの試行錯誤を強いられるので、かなり手厳しいゲームになっている。もちろん、一発勝負だからこそ感じるスリルはあるし、だからこそクリアした時の達成感もひとしおなのだが、あくまでも、それはコアなステルスゲームファンの楽しみ方だと思う。
個人的には、せめて一回くらいはセーブできるようにして欲しかった。
総評
粗削りだが、「Hitman」の魅力が詰まった一作目。
Hitmanならではの遊びがすでに存在しており、「どうやってターゲットを始末するか?」と考えて遊んでいる瞬間は、今のHitmanにも共通する楽しさがあり、そこは今でも面白いと感じる。
ただ、途中セーブなしの仕様や難易度のバランスなど、色々と極端なゲームでもあり、面白さに触れられる前に、容赦なくプレイヤーを切り捨ててしまうところがある。
理不尽なゲームオーバーも笑って受け流せる人は本作から遊べば良いと思うが、それ以外の人は『Hitman 2 Silent Assassin』から遊ぶのが無難な選択となる。
なお、本作の主なミッションは『Hitman Contracts』でリメイクされている。