対応機種 | PC,PS3,Xbox(互換) ※PC版は日本から購入不可 |
プレイ時間 | 9時間~ |
ストーリー | 2080年、海面上昇により”分断”が進んだ世界。人間と瓜二つのロボット”ホロウチルドレン”が発見され、主人公らはその対処のために東京に派遣される。 |
本作は、2012年に発売されたアクションゲーム。
セガの「龍が如くスタジオ」が開発した作品になり、当時のアクションゲームで言えば、『ギアーズ・オブ・ウォー』や『Dead Space』に影響を受けたと思われる”洋ゲー”的でアクション色の強い作風が特徴になる。
評価
国産”量産型”TPS、その出来栄えは
『ギアーズ・オブ・ウォー』の登場以降、カバーに隠れて敵を撃つスタイルのTPSが続々と発売され、本作もその中に含まれるが、本作の場合は、「龍が如くスタジオ」が開発した国産量産型TPSなのが特徴と言えるだろう。
率直に言えば、予想よりもはるかにマトモなTPSだった。
遊んでいて気になったところと言えば、カバーに入ろうとした際に主人公がローリングをしてしまう時があったことと、次に向かうべき場所が分かりにくい時があったことくらいで、ベースとなるシューティングやカバーシステムなどは、他の量産型TPSと比べても遜色ない作り。一方で、銃弾を撃ち込む感覚や敵の破壊表現などはかなり良い方であり、トリガーを引いたまま敵ロボットをバリバリ破壊していくのは実に爽快で、射撃がちゃんと楽しい。
そして、的を撃ち抜く面白さもしっかりある。
単に”敵ロボットをバリバリ破壊する”ことも可能だが、各パーツを狙い撃つことで戦況を有利にできる。頭を壊せば敵に同士討ちをさせることができ、足を破壊すればこちらに向かってくるスピードを落とせるというように、部位破壊が戦闘を切り抜けるカギになっている。
ゲーム自体は、ライフが0になっても回復アイテムや(後述する)仲間による治療によって復活できるので、TPS慣れしている人であれば、ゲームオーバーになることはほぼないと思うが、一度に登場する敵の数が多く、気を抜くとすぐに瀕死の状態になる難しさではあり、パーツ(部位)はしっかり狙った方が良い。
本作には、ロボットの敵を破壊しまくる射撃の気持ち良さと、しっかり的を撃ち抜く射撃の面白さがあり、この二つの組み合わせが今作の特徴で、TPSとして個性的なところになる。インタビューを読む限り、やはり海外のTPSを意識した作品ではあるようだが、その結果が”海外ゲームの劣化コピー”になっていない。
なお、要所要所で登場するミニゲームは”龍が如く”っぽい。
高速道路でのチェイスシーンや崩れ落ちる建物からの脱出など、「龍が如く」でも見たような見なかったようなミニゲームがそれなりに用意されており、シューティングとミニゲームで、ゲームにメリハリを付けている。
ちなみに、一部エリアは「龍が如く」のように自由に散策できるが、本当に小さな空間なので、あまり期待しない方が良い。ここはタイアップ企業のために用意された宣伝用の空間なのだろうと思う(餃子の王将や日清など)。
ヘッドセットだからこそ、面白く感じる?
本作では、ヘッドセットを用意することでAIの仲間と連携が取れる(取れた)。
基本的に、ゲームでは仲間とのチームで動くのだが、「攻撃」や「待て」などの命令をヘッドセットを通してプレイヤー自身が出せる。また、一部の会話シーンでは、仲間からの問いかけにこれもヘッドセットを通して返事することができる。
私は、今から遊ぶ人の大半がそうだと思うが、ヘッドセットなしで遊んだので、こうしたことはすべてコントローラ操作で行ったのだが、その場合、これらは簡単な選択を繰り返すだけの場面になり、地味に面倒な要素に思えた。
仲間に命令を出すことも、会話することも、ヘッドセットで遊んで初めて活きる要素だろうと思う。プレイを止めたくなるほどではなく、強いて言えばのレベルだが、ここは遊んでいて気になった。
総評
2010年代のアクションゲームで、過小評価されている作品を挙げるのなら、本作を必ず挙げたい。
「龍が如くスタジオ」にとって、初めての本格的なTPSだったようだが、海外のTPSとも(内容は)十分張り合える作品になり、とにかく銃を撃ちまくりたいという欲求を満たしてくれる良いTPSだった。
現在ではXbox互換に対応し、世代によっては高解像度の60fpsという実質的なリマスター版として遊べるので、Xboxストアなどで見かけたら、ぜひ手に取ってみて欲しい。