ショーン・コネリー主演のアクション映画『007 ダイヤモンドは永遠に』のレビュー。
紹介
ダイヤモンドは永遠にのストーリー
アフリカから密輸され、行方がわからなくなっているダイヤモンドを探すために、ボンドはダイヤの運び屋に変装。
やがてティファニーという女からダイヤの運搬を依頼されるが、その裏に宿敵ブロフェルドの存在を嗅ぎつける……。
引用元 – Youtubeより
ダイヤモンドは永遠にの出演陣
役者 | 役名 |
ショーン・コネリー | ジェームズ・ボンド |
ジル・セント・ジョン | ティファニー |
チャールズ・グレイ | ブロフェルド |
ノーマン・バートン | フェリックス・ライター |
ラナ・ウッド | プレンティ など |
感想
ショーン・コネリーのボンド復帰/卒業作品
『007 ドクター・ノオ』『007 ロシアより愛をこめて』『007 ゴールドフィンガー』『007 サンダーボール作戦』『007は二度死ぬ』とシリーズ初期を支えて来たショーン・コネリーのボンド卒業作品。
破格の条件を提示してコネリーを再登板させ、「ゴールドフィンガー」を監督したガイ・ハミルトンまで再起用したということで、映画会社としては”次は絶対に外せない”という思いがあったものと思われる。
なお、ジョージ・レーゼンビーがボンドを演じた前作『女王陛下の007』は”ほぼ”無かったことにされており、冒頭の日本人やボンドとブロフェルドとの会話を見る限りは「二度死ぬ」の続きのよう。
さて、映画としてはややコミカル路線。
今作では”ジョークを言っても場が緩まない”ショーン・コネリー演じるボンドの魅力が活きており、真面目すぎず、不真面目すぎない塩梅がまさにコネリーのボンド。
終盤の、クレーンを操作してブロフェルドを弄ぶシーンのシュールさはショーン・コネリーだからこそだろう。
また、約10年に渡り、合計6作でボンドを演じて来たということで、コネリー・ボンドは”まるで我が家のような安心感”がある。
ちなみに、アクション映画としては夜の大通りを激走するカーチェイスだったり、片輪走行で狭い通路を走り抜けたりなど、これまでに無かったアクションにも挑戦している。
全体的に展開が雑
基本的に観ている側にストーリーを押し付けている感じ。
“それをする意図や動機”が詳しく説明されないことが多く、その度に「えっと、これはどういうこと?」となり、自分なりの仮説を立てて納得させないといけなかった。
(プレンティ・オトゥールが殺された理由など)
また、ご都合主義的な展開も非常に目立つ。
肝心要の作戦が”ものすごい偶然”を前提に立案されており、それが滞りなく遂行していくことに強い違和感を覚えた。
もともと、このシリーズはご都合主義的な展開が多く、かつお話の細部が甘かったが、今作に限っては「度が過ぎている」と感じた。
まとめ
残念ながら有終の美は飾れなかった。
“ショーン・コネリーの復帰”ありきのような中身になっており、仮にボンド役がコネリー以外の俳優だった場合はより手厳しく評価されていたのでは?と感じる。
結局、『007 ロシアより愛をこめて』を超える”ショーン・コネリーのボンド映画”は生まれなかった。
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