【感想・評価】『007 消されたライセンス(ネタバレ)』レビュー

洋画レビュー
原題 007 License to Kill
公開日 1989年6月13日
ストーリー フェリックス・ライターの結婚式当日。

ジェームズ・ボンドはフェリックスと一緒に結婚式場に向かう車の中にいたが、近くに麻薬王・サンチェスが現れたことで事態は一変する。

ボンドとフェリックスはヘリに乗り込み、サンチェスを追い、無事に逮捕する。

しかし、サンチェスは警察官の手引によって脱獄し、その足でフェリックス夫婦を襲い、夫人を殺す。

ボンドは、フェリックス夫婦の敵を討つべく、単独でサンチェスの行方を追う。

そして、暴走したボンドはMI6に”殺しのライセンス”を剥奪されるのだった。

ティモシー・ダルトン主演のスパイ映画『007 消されたライセンス』のレビュー。

007 消されたライセンスの感想/評価

続・硬派なボンド映画

『007 消されたライセンス』はティモシー・ダルトンが主演した二作目のボンド映画にして、彼が最後にジェームズ・ボンドを演じた作品。

レビューにも書いている通り、前作『007 リビング・デイライツ』にて、ティモシー・ダルトンは原作に忠実なジェームズ・ボンドを演じ、それに合わせて作風自体もハード路線が採用された。

今回も、前作のハード路線は継承されており、”ボンド映画”とは思えないほどボンド自身の内面に迫り、エスピオナージスパイ活動によって悪党と対峙する。

ジェームズ・ボンドは、フェリックス・ライターの結婚式に出席するが『女王陛下の007』にて殺された自身の花嫁のことが頭をよぎり、フェリックスの悲劇と自身の悲劇を重ね合わせて復讐劇に身を投じる。

特に今回は”ジェームズ・ボンドであっても心を痛めるし、複雑な感情を持ち合わせている”という当たり前の人間らしさが全面に押し出されており、ボンドの内面が深堀りされている。

前作と同じく、ティモシー・ダルトン演じるボンドには人間的な部分と、凄腕のスパイの部分が内在しており、その不完全さに親近感を覚える。

最後、ボンドは文字通りズタボロになるわけだが、あの”怪我はするし、服も破ける”という等身大の姿も、個人的には非常に好きだった。

これまでのボンドは何があっても涼しい顔をし、無傷で危機を乗り切っていた。

さらに、今作では目玉のスパイ活劇も地道に展開される。

今作はボンド映画にしてはアクションは控えめで、開始1時間くらいは地道な調査に割かれるので「別の映画を観ているのか?」と錯覚するほど。

でも、暗闇に紛れて情報収集する姿や、MI6を辞めたことを利用してターゲットに接近する様子などは実に現実的で、敵を内部から崩壊させる作戦もスマート。

もちろん、アクションシーンにも力は入っており、ボンド映画らしくスタントマンと特撮をフル活用した迫力満点のシーンの数々は未だに色褪せない。

自立した”ボンド・ガール”

前作『007 リビング・デイライツ』のカーラと同じく、パメラも自立した女性キャラクターとして描かれており、彼女の活躍も見所。

ボンド映画における女性キャラクターは往々にして装飾品的な扱いで、”大人の男性であるボンドが女性にリードする”という関係でもあった。

確かに『007 私を愛したスパイ』の頃から少しずつボンドと対等な女性キャラクターは登場していたが、前作、今作でより表現が前進したように感じる。

まとめ

今作も、締まったボンド映画だった。

ジェームズ・ボンドの内面に迫るストーリーはキャラクターに奥行きを生み、地道なスパイ活動と工作を用いて悪党と対峙する点も、ボンド映画にしては異色だった。

あと、Qのコメディ的な役回りも良かった。

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