原題 | Mafia: Definitive Edition |
対応機種 | PC,PS4/5,Xbox |
プレイ時間 | 16時間~ |
ストーリー | 1930年代。タクシードライバーだった主人公は、ひょんなことからマフィアと接点を持つことに。サリエリ・ファミリーの構成員となった主人公は、ドンの忠実な部下として数々の悪事に手を染めるが、次第に自身もマフィア社会に染まっていく。 |
今作は、2002年に発売された『Mafia: The City of Lost Heaven』のリメイク版。開発は『マフィア3』の「Hangar 13」。
評価
初代Mafiaを今風に
『マフィア3』の開発元が手掛けるリメイクということで、完全なオープンワールドゲームになるのかと思ったが、実際は原作と同じストーリー主導型のゲームになり、原作へのリスペクトを強く感じる一作になっていた。
まず、今作もオープンワールドゲームではない。一作目と同じく、「グランド・セフト・オート」で言えば、メインミッションのみを遊んでいくようなゲームになり、オープンワールドは、ストーリーやゲーム世界に説得力を持たせるための”贅沢な背景”になっている。「目的地までどの道を通るか」と考えさせるところが、唯一オープンワールドゲームらしい点と言える。
したがって、今作も目玉はミッションになる。そのミッションは、一部手直しされた箇所もあるが、基本的には一作目のリメイクになっている。コルレオーネ・ホテルでの汚れ仕事から豪華客船での危険な仕事まで、一作目のミッションは漏れなく登場しており、今作も舞台やシチュエーションは実に多彩。どのチャプターも印象に残り、一作目と同様にミッションの中身は非常に充実している。
気になるリメイク具合については、個人的には納得感があるものだったので好印象。ミッションのテンポが良くなったことで、車での移動時間の長さが強調されてしまったような気もするが、一作目と比べると、すべきことが分かりやすくなっていたり、演出面も相応に強化されていたりと、大作のアクションゲームらしい仕上がり。個人的には、新たに追加されたムービーや台詞が、ストーリーに新たな視点を加えている点も、なかなか新鮮で面白いと感じた。
というように、ミッション周りは一作目を踏襲したものになっているのだが、一方でプレイ面は完全に別物になっている。
全体的にプレイ感覚は『マフィア3』に近い。銃撃戦は今風なカバーに隠れて撃ち合うスタイルになっているし、ステルス要素も、一撃必殺のテイクダウンや警戒度を視覚化するシステムなどにより、今風なステルスになっている。『マフィア3』同様に、アクションもステルスもお手軽に使い分けることができ、ステルス風味のアクションゲームとして、非常に洗練されていて、遊びやすい。
個人的には、長くなりがちな移動をスキップできたり、敵の車両を工事現場に誘い込むことで、カーチェイスをさっさと終わらせられる点も、遊びやすくて気に入った。他のオープンワールドゲームでも取り入れて欲しいくらい。
自由に遊びたいなら「フリーライド」
「ストーリー」とは別に、街を散策することに特化した「フリーライド」というモードがある。好きな服を着て、好きな銃を持って、好きな車に乗って街へと繰り出すことができる。ストーリーの方では行かない場所をウロウロしたり、収集物を集めたりくらいしか出来ないが、一応、そういうモードもある。
なお、確認した限り、ストーリーでは入れた屋内にはアクセスできない。
追記:フリーライド専用のミッションも遊ぶことができる
総評
オリジナルにあたる『Mafia』への愛着を感じる良いリメイク。キャストや音楽など、変わったものも多いので、オリジナル版に置き換わるものではないのだが、癖の強かったあの作品を、見事に今風に作り直したゲームではあり、初めて遊ぶという人に最適な一本になっている。オリジナルをクリア済みという人も、私のように違いを楽しみつつ遊べるのではないかと思う。