原題 | inFAMOUS 2 |
対応機種 | PS3 |
プレイ時間 | 15時間~ |
ストーリー | 前作の一年後、ニューマレー。”ビースト”と呼ばれる敵が各都市を破壊する中、主人公らはその敵との最終決戦に挑む。 |
今作は、2011年に発売されたオープンワールドゲーム。「inFAMOUS」シリーズの二作目になる。
評価
2009年に発売された前作『inFAMOUS』。
前作は、電気による激しいアクションやヒーローにもメネシスにもなれるユニークなシステム、そして、コミックを意識したという斬新なストーリー手法が特徴の作品になり、他のオープンワールドゲームとは一線を画する存在だった。
今作は、その2年後に発売された続編。
ゲームとしては、一作目をベースにした二作目になり、シリーズものとしては、ここで”一作目から続くストーリーが終わる”という作品になっている。
この記事では前作と比較しつつ主にプレイ面について書いていく。
前作の改良版・拡張版
多くの二作目と同様に、今作も前作『inFAMOUS』を改良、拡張している。
ゲームの骨格は前作と同じで、前作経験者にとってはお馴染みのものと言えるが、ミュータントをはじめ新しいタイプの敵が追加されていたり、表現力が向上して迫力が増していたりと、様々な部分が順当に進化している。
戦闘面では、新しいタイプの敵に対応するように新しい技も多数追加されたことで、敵に合わせてそれらを使い分ける若干の戦術性が生まれているし、演出面も「アンチャーテッド」のようにリッチで、「ゴッド・オブ・ウォー」のようにスケールもデカくなっている。加えて、細かな部分ではワイヤーアクション的な技(ライトニングワイヤー)や移動をサポートする仕掛けなどにより、移動の快適さが一段と増している。そして、”あの”屋外にいる敵からの執拗な銃撃も気にならなくなった。
サブミッションにおいて中ボスが繰り返し登場する点は、若干しつこさを感じたが、それを除くとアクションゲームとしては理想的な二作目になり、今作でも豪快で、爽快な電撃アクションが楽しめる。
また、オープンワールドの方も、基本的な部分は前作を受け継いでいる。
メインミッション以外にも、サブミッションが用意されており、今遊べる範囲であればそれらを好きな順番で遊べる。そして、そのサブミッションに縄張り争い的な要素が含まれているのも同じで、一つクリアする度に街が敵の支配から解放されていく(加えて、今作ではサブミッションのクリアが一部スキルをアンロックする条件になっている)。
「舞台がニューオーリンズをモデルにした新しい街に移っている」「ユーザー作成のミッションを遊ぶことができる」など、今作ならではの要素ももちろん存在するが、前作と同じタイプのオープンワールドゲームと言って良い。
全体的に”PS3の大作ゲーム”らしくなり、「inFAMOUS」としての広がりも感じさせる内容。
前作よりは意味のある善/悪の選択
前作『inFAMOUS』と同じく、今作でも要所要所で善と悪の選択を迫られる。
前作も「善だけ選択する」「悪だけ選択」するという形で二周したのだが、前作だとそこまでの変化はなく、大部分は一周目とほとんど変わらない内容だった。たしかに技や一部のサブミッションに変化はあったが、肝心のメインミッションはどちらで遊んでも同じだった。
そんな前作と比べると、今作はちゃんと変化がある。
一部のメインミッションは善と悪で別々のものが用意されているし、最後の決戦に関しても同様。今作もストーリーの大枠は同じだが、「もう一周してもいいか」と思えるくらいの変化はあり、(一応は)選択できるゲームとして、それを発展させる方向で進化している。
ちなみに、三作目の『inFAMOUS Second Son』を遊んだ限りは、善ルートが正史になっている模様。
ローカライズ(日本語版)の話
嬉しいことに今作は音声も含めて日本語化されている。
前作『inFAMOUS』は字幕のみ対応だったが、その字幕が出ない箇所があり、ストーリーを理解する際の障害になっていた。しかし、今作ではその部分も吹き替え対応になったことで、すべて把握できる。
総評
今作もヒーロー系オープンワールドゲームの良作。
前作のアップグレード版と言ってもよく、電撃アクションがさらに楽しくなっている。また、表現力が向上したことでムービーや演出の質が高くなり、アクション面以外の部分もきっちり進化している。もちろん、今作もロード時間は爆速で、チェックポイントも短い間隔で用意されている。
前作『inFAMOUS』の後に遊ぶ作品として、満足度の高い続編だった。