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AIと繰り広げる壮大な宇宙体験、event[0]【感想 評価 批評 レビュー】

無人の宇宙船を探索する、ウォーキング・シミュレーター系アドベンチャーゲーム。プレイヤーはその宇宙船にインストールされたAIと対話しながら、地球への帰還とその宇宙船で起きた出来事の真相を究明する。

現実的なサウンドにも注目したい。

本作はパズル要素を含んだ「ウォーキング・シミュレーター」になっている。数時間にも及ぶプレイ時間の大部分は、乗組員が居ない無人の宇宙船を探索するパートが占めており、「ここで何が起きたのか」と考えながら進めていくことになる。

このときにプレイヤーの相棒となるのが、この宇宙船にインストールされた「KAIZEN(改善)」という名のAI。実はこのAIと対話することが本作のメイン要素となっており、プレイヤーは彼(彼女)とPCに文字を入力することで意思の疎通を図るのだが、よくある「プレイヤーが選択した台詞に答えてくれる」のではなく、「プレイヤーの入力した内容に対して臨機応変に返信してくれる」という作りになっているが見所。

プレイヤーはクリアまでにそこそこの量の英文を打ち込むことになるが、「KAIZEN」からコピペ定型文が返ってくることは稀で、映画『月に囚われた男』で観るような自然なやり取りをAIと行うことができるのだ。例えば、プレイヤーが「お腹が減った」と入力すれば、KAIZENは「あそこのシステムキッチン便利だよ」と返信してくる。こうした言葉のキャッチボールが可能で、この部分は突出して面白い。

また、「KAIZEN」のキャラクターも秀逸。あるときは機械のように冷たく、またあるときは人間のように温かい彼(彼女)を前に、プレイヤーは「このAIをどこまで信じて良いのか」と考えるようになる。こうした人間とAIの関係性を描くサブテーマも興味深く、「人間とAIの対話」を軸に展開されるゲームプレイは、非常に野心的で、他の類似作とは一線を画したものになっている。

基本的に「英語を読む作品」なので、ある程度の英語力は必須。しかし、高校英語に毛が生えた程度の私でも、大体のストーリーラインは理解できたので、そこまで高度な英語力は求められないだろう。ちなみに、「KAIZEN」の台詞は自動生成されているということで、日本語化は望み薄。けれども、一部を除いて自分のペースで読み進められるので、辞書を片手に遊べば問題ない。

総評としては、忘れがたいゲーム体験ができる良作。AIと対話することが、しっかりとゲームプレイに落とし込まれており、それを軸に展開される物語も含めて完成度が高く、知的なパズルも良い隠し味になっている。以下の映画のファンであれば遊んで損はないだろう。

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