原題 | True Crime: New York City |
対応機種 | PS2ほか |
プレイ時間 | 7時間~ |
ストーリー | 大物ギャングを父に持つマーカス。彼はもう一人の父とも言える存在のテリーを追って、ニューヨーク市警でのキャリアをスタートさせる。 |
『トゥルークライム ニューヨークシティ』は、2005年に発売されたオープンワールドゲーム。「トゥルークライム」シリーズの二作目だが、ストーリーの繋がりはなく、これ単体で遊べる。
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評価
ニューヨークの治安を守る
今作も、オープンワールドで”警官ごっこ”が出来るゲーム。ニューヨークが舞台の今作では、プレイヤーは「PDNY(大人の事情でNYPDではない)」の私服刑事となり、数々の事件を解決していく。
ゲームの流れは、前作『トゥルークライム -STREETS OF L.A.-』とよく似ている。前作はチャプターごとに進行するゲームで、今作は「グランド・セフト・オート」スタイルのオープンワールドゲームという違いはあるが、ミッションの合間に次々と事件の通報が入ってくるのは同じ。
通報は無視することもできるが、解決するとその地域の治安が回復し、店が営業を再開したり、昇格に必要なポイントが貰えたりするため、ストーリーを進めつつ事件も解決していくのが基本的な遊び方になる。
店では食事(体力回復)などができ、昇格すると昇給とワンランク上の装備へのアクセスが可能になる。
現実世界をモデルにしていて、犯罪が絡むオープンワールドゲームとなると、やはり「グランド・セフト・オート」がライバルになるが、今作も”主人公は警官”とすることで、それと上手く差別化している。
なお、今作では、通報の内容がかなり増えている。路上での喧嘩と言ったよくあるものに混じって、反対派による店の襲撃や時限爆弾の解除などもあり、前作で散々遊んだ後でも新鮮に感じる。この手のゲームにしては中に入れる建物が多く、それに合わせて通報の種類が増えている。
警官ごっこが出来るゲームとしては、この面の強化が一番大きいように感じる。
前作と比較する
前作『トゥルークライム -STREETS OF L.A.-』と同じく、戦闘は銃撃戦と格闘戦で構成されている。ただ、今作の格闘戦は前作ほど攻撃や防御、コンボを意識させるものではなく、ラフに遊べて、すぐに決着が付くものになっている。今回は銃撃戦メインで、格闘戦はサブのような感じ。
ストーリー面では、ストーリーの複雑な分岐が無くなったのが大きい。前作ではミッションに失敗してもそのままストーリーは進行し、成功した場合と失敗した場合の両方のストーリーが用意されていたが、今作の場合はほぼ一本道になっている。複数の異なるストーリーが存在するというのは、前作の大きな特徴で、その凝った作りを気に入っていたので、それが無くなってしまったのは残念。
また、ストーリーのトーンも変わっていて、今回はシリアス路線。したがって、急にオカルト全開のミッションが始まったり、謎の将軍様が出てきたりはせず、淡々と市警を巻き込む汚職事件を捜査するストーリーが展開される。前作はハリウッドが作る大衆向けのポリス映画、今作は専門チャンネルが作る硬派な刑事ドラマくらいの違いがある。
“オープンワールドで警官ごっこ”は前作と同じだが、アクション面やストーリー面は、別開発か?と思えるほど違うものになっている。個人的には前作と被らず、独自の方向性を打ち出せていて好印象だったが。
なお、オープンワールドゲームとしては、サイドミッションがいくつかあって、観光できるレベルのニューヨークもあってと、最低限の要素は揃っており、それなりに遊べる。当時のライバルが『グランド・セフト・オート サンアンドレアス』だったのはツイてない。
総評
ポリス系オープンワールドゲームの良作。シリアスな刑事ドラマ然としたストーリーは面白く、オープンワールドでの警官ごっこも楽しい。「グランド・セフト・オート」向けの警察Mod(例:LSPDFR)を除くと、こうしたゲームはほとんど存在しないので、今遊んでも今作の作風は新鮮で、その独自のスタイルは全く色褪せていない。
なお、このゲームはバグが多いことで有名だが、PSCX2だと特に問題なく最後まで遊べた。