原題 | Gears of War 4 |
対応機種 | PC,Xbox |
プレイ時間 | 9時間~ |
ストーリー | GoW3の25年後、戦後の復興が進む世界。主人公のJDやケイトらは外の世界で生きていた。そんな平穏な日常の裏で、新たな脅威が出現する。 |
今作は、2017年に発売されたメインシリーズの4作目。
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評価
2006年に発売された『ギアーズ・オブ・ウォー』。一作目はカバーシステムを中心にした撃ち合いや、強烈なゴア表現による激しい戦闘が好評を得た作品になり、その時代を代表するアクションゲームと言っても過言ではない存在だった。そして、一作目がヒットした後は、三部作を構成する『ギアーズ・オブ・ウォー2』や『ギアーズ・オブ・ウォー3』に加えて、スピンオフの『ギアーズ・オブ・ウォー ジャッジメント』も発売されるなど、順調にシリーズが展開されていった。
今作は、そんな「ギアーズ・オブ・ウォー」の新章となる作品。「3」の25年後を舞台にした世界で、新しい主人公たちによる新しいストーリーを描く作品になり、ここから新たな三部作が始まる。
新生ギアーズは”いつものギアーズ”
一つ前に発売された『Gears of War: Ultimate Edition』で、開発元が「Epic Games」から「The Coalition」へと変更になり、今作はその体制で初めて開発された新作だった。同じく別会社開発だった『ギアーズ・オブ・ウォー ジャッジメント』がかなり独自色の出た作風だったので、プレイ前は少し不安もあったのだが、蓋を開けてみれば”いつものギアーズ”で、良くも悪くも変わらない。
今作もカバーシステムを採用したTPSで、戦闘では仲間たちと一緒に戦う。敵は宿敵だった「ローカスト」とよく似ていて、お馴染みの”化け物相手に、一切の容赦なく撃ちまくる”スタイルの銃撃戦が最後まで続く。今回は日本語版も無規制ということで、残虐な表現もバッチリ堪能できる。
基本的には「Epic Games」が開発していた頃の「ギアーズ・オブ・ウォー」を、(当時の)最新のゲームエンジンで再び作ったゲームと言え、無難に手堅く遊べるギアーズになっている。
ただ、新要素もちらほらとある。“ウィンドフレア”と呼ばれる異常気象が起きる中で戦ったり、新しい敵であるロボットと戦ったりする。中でも”ウィンドフレア”は強風にグレネードが流されるなど、通常とは異なるシチュエーションを生み出し、これはギアーズ的には目新しく感じる要素になっていた。逆にロボットに関しては、先に『バイナリードメイン』を遊んでいたこともあり、もっと本格的な破壊表現がないと物足りなく感じるなと。頭を撃てば敵味方の区別がつかなくなったり、足を撃てば動きを封じることができたりすれば、なお良かった。
あと、これは新要素ではないが、「ジャッジメント」のウェーブ戦闘が引き続き登場している。各ACTには次々と押し寄せる敵を撃退していく戦闘が用意されており、プレイヤーは、エリア内にタレットやマシンガンなどを設置し、敵を効率的に倒していく。ウェーブでの戦闘は「ジャッジメント」よりも激しい印象で、とにかく撃ちまくりたいという欲求は満たしてくれる。
全体的に、期待を上回ることはないが、下回ることもないと言ったところ。白熱した撃ち合いに、ど派手な演出と、ギアーズに求めるものはきっちり用意されており、「やっぱり、これは面白い」と再確認できる一作になっている。
新規プレイヤーも楽しめる?
今作からギアーズは次の世代へと進む。主人公はマーカス・フェニックスの息子のJD・フェニックスになり、仲間たちもJDと同年代の若者たちになる。『ギアーズ・オブ・ウォー3』までの出来事は過去のものとなり、ストーリーではそんなJDたちを中心に、新しいストーリーが展開される。
というように、基本的には新規プレイヤーを意識したストーリーなので、今作から遊んでも問題ない。ただ、完全に新規プレイヤー向けではなく、シリーズ経験者に向けたシーンもふんだんに盛り込まれており、ちゃんと昔からのファンにも配慮されている。
私は、旧シリーズから新シリーズへの移行は上手く行ったのではと思う。マーカスからその息子へという形なので、新主人公になってもシリーズの継続性は保たれているし、旧シリーズのキャラクターがサポート役として登場する点も、過去作との繋がりを程よく匂わせる要素になっていて、二つのギアーズを上手く繋ぎ止めていると感じた。
ちなみに、ゲーム内にはこれまでの出来事をまとめたムービーが用意されているので、初めて遊ぶ人もそれを観れば大体の流れは把握できる。
総評
いつものギアーズで、手堅く楽しめる一作。ただ、やっていることは一作目『ギアーズ・オブ・ウォー』の頃から大きく変わっておらず、ゆえに既存のプレイヤーには刺さっても、新規プレイヤーにまで刺さるかは微妙なところだと、正直、遊んでいて思ってしまったが。