【感想・評価】『山猫は眠らない3 決別の照準』レビュー

アクション映画のレビュー
原題 Sniper 3
公開日 2004年9月28日
ストーリー 米軍に復職していた主人公・ベケット。

ベケットは今でもベトナム戦争時のトラウマに苦しんでおり、戦死した親友・フィネガンの存在に囚われていた。

ある日、ベケットは死んだはずのフィネガンが実はベトナムで生きていると聞かされる。

酷にも、NSAはベケットにフィネガンの暗殺を命じるのだった。

トム・ベレンジャー主演の映画『山猫は眠らない3 決別の照準』のレビュー。

山猫は眠らない3 決別の照準の感想/評価

今作は『山猫は眠らない(1)』『山猫は眠らない2-狙撃手の掟-』に次ぐシリーズ三作目になっており、今回はベケットの暗い過去が明かされる。

主人公・ベケットは前作『山猫は眠らない2-狙撃手の掟-』での約束通り、海兵隊に復職していましたが、”時代遅れの堅物”として上官とは反りが合わない。

また、装備品はどんどんと最新のものに更新されていく一方で、ベケット自身は古風なやり方を好み、時代に逆行するオールドタイマーとして存在感を放ちます。

まあ、冒頭のやり取りはお約束事のようなものであり、それ自体にあまり大きな意味はないわけですが…。

で、今回のテーマはベケットの過去の精算。

過去二作でスナイパーとしてのベケットは散々描かれて来たわけですが、今回はベトナム戦争の頃まで遡ってベケットの暗い過去とトラウマを描き、意外にもドラマ性の高いストーリーが展開される。

ベケットは、NSAから自身のトラウマの原因でもある親友・フィネガンが実は生きているという事実を明かされ、同時に彼の暗殺を命じられます。

“スナイパーたるものターゲットを撃てなきゃ終わり”であるため、ベケットはフィネガンを暗殺すべく30年ぶりにベトナムを訪れ、過去の精算に取り掛かる。

ベトナム人にとって、すでにベトナム戦争は親の世代の出来事となっていましたが、ベケットたちにとってはまだ戦争は続いており、お互いのためにケリを付けるわけです。

こう言ってはなんですが、「山猫は眠らない」らしからぬストーリー。

今回は孤高のスナイパーであるベケットの新たな一面が垣間見えるストーリーになっており、ベケットの内面に迫るドラマ性の高いストーリーが印象に残りました。

そして、過去作同様に二転三転する捻りの利いた展開も悪くありませんでした。

まとめ

今回も外さない一作でした。

アクション映画としては平均的な作品ですが、スナイパーという切り口がユニークであり、シリーズを重ねるごとにベケットの人間性にも惹かれていく。

今作も、これまでと同じく面白い「山猫は眠らない」に仕上がっています。

▼山猫は眠らないの関連記事▼