【感想・評価】Netflix独占配信『月影の下で』レビュー

Netflix独占映画

ボイド・ホルブルック主演のSF系サスペンス映画。

※Netflix独占映画です

紹介

月影の下でのストーリー

 1988年、刑事を目指すフィラデルフィアの警察官トーマス・ロックハート (ボイド・ホルブルック) は、ある殺人事件に遭遇する。

奇妙なことに、犯人はその後も9年ごとに犯行を繰り返していく。

執念深く犯人を追うロックハートだったが、科学では説明がつかない事件の真相に近づくにつれ、自分のキャリア、家族、そして正気さえもが脅かされていく。

引用元 – Netflix

月影の下での出演者

役者 役名
ボイド・ホルブルック トーマス
クレオパトラ・コールマン リア
ボキーム・ウッドバイン マドックス
ルディ・ダーマリンガム ナヴィーン
マイケル・C・ホール ホルト など

感想

9年ごとに発生する連続殺人事件

映画は、2024年のフィラデルフィアから始まる。

ただ、どうも様子がおかしい。

本来であれば活気に満ちた日中のオフィスに人っ子一人おらず、窓ガラスも全て割れている。

そして、カメラが外を映すと倒壊した向かいのビルが目に飛び込んで来る。

「爆撃?」「爆破テロ?」などと考えている間に、時代は1988年まで遡る。

1988年。

この年に最初の殺人事件が発生し、以降は”9年間隔”で同様の事件が発生する。

一連の事件では、首元に謎の注射をされた被害者たち全員が”体中から出血して死亡”していた。

  • 9年間隔で発生する連続殺人事件
  • 謎の薬物による殺人

主人公トーマスは、↑の猟奇的な事件の捜査に文字通り人生を捧げる。

そして、次第に事件には「タイムスリップ」などのSF要素が絡んでいることが分かって来る。

観客は、彼の約半世紀にも及ぶ”決死の捜査”を見守り、同時に「(映画冒頭の)フィラデルフィアとどう繋がるのか?」と期待しながら観ることになる。

  • 9年間隔で発生する猟奇的な連続殺人鬼
  • SF要素

9年間隔で発生する連続殺人事件はテーマとして興味深く、タイムスリップをベースにしたSF要素も、ストーリーとキャラクターに深みをもたらす。

ちゃんと意味のあるSF要素

この映画は、種明かしされた後にそれまでの出来事や台詞を振り返ってみると”意味が違って見えるタイプの作品。

例えば、主人公が犯人と対峙した際の─

犯人「こんばんは、トーマス。ここがその場所ね」

という一言や、犯人の”主人公の将来を知っているような口ぶり”は、全て分かった上で見直すと以前とは違った見え方をする。

また、”犯人の正体”は観客のミスリードを誘う見事な設定。

「SF」という設定が奇をてらった要素ではなく、この映画のストーリーを描く上で欠かせない要素として存在している点も、個人的には好印象だった。

まとめ

猟奇的な殺人事件×SFの組み合わせがユニークな作品。

堅実な推理モノをベースにしたサスペンスと、意味のあるSF要素が融合した一作になっており、エンドロール時の余韻も含めて楽しめた。

ちなみに、作風としては『ゾディアック』に、『LOOPER/ルーパー』や『プリデスティネーション』が加わってものになっている。