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【評価・感想】『デウスエクス インビジブルウォー』レビュー

ゲームレビュー
ゲームレビュー
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原題Deus Ex Invisible War
対応機種PC,Xbox
クリア時間10時間~
ストーリー前作から20年後。世界中のネットワークが破壊され、支配層は、依然として世界を裏から牛耳っている世界(前作の結末は”大崩壊”と呼ばれている)。シカゴで発生した大規模なテロ事件をきっかけに、人類と新たな人類との間で見えない戦争が始まる。

『Deus Ex Invisible War』は、2003年に発売されたシリーズの二作目。前作『Deus Ex』の直接的な続編になり、時系列としては、もっとも未来を描く作品になる。前作はマルチエンディングだったが、今作は、それらの結末がすべて起こった世界を描いている。

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著者情報
Kakihey

2014年末より当サイト「Kakihey.com」を運営中しています。現在までに300本以上のゲームレビューを公開しています。基本的にPCでゲームを遊んでいます。

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評価

前作と比較する

今作についてよく聞くのが、「ゲーム機版に合わせる形で、ゲームの規模が縮小されてしまったのでは?」という指摘。真相は一旦置いておくとしても、実際のところ、エリアは、前作『Deus Ex』と比べると、かなり狭く、ぶつ切り。

前作では、どのエリアも広く、一部を除いて、ロード画面が入る読み込みもなかったが、今作では、エリアがブロックごとに細かく分割されており、ブロックを移動する度にロード画面が入るようになっている。

“Deus Ex”としては、エリアを細かく分割する作りなのは結構痛い。ロード画面を挟んでいても、地続きであれば問題ないのだが、今作の場合は、小さなブロック内で完結した作りになっているため、どうしても、一つ一つのエリアの規模には限界がある。

前作は、エリアを深く探索して、様々な発見をすることも面白いゲームだったが、それは、それなりの規模のエリアが用意されていたから。それと比べると、今作は狭い中をウロウロしている感が否めず、探索する面白さが弱く感じる。「こことここが繋がっていた」「進んだ先にこんなものが」という発見がほとんどない。

たしかに、エリアが狭い分、どこに何があって、誰がいるのかが分かりやすいというのはあるが、それが探索の面白さと引き換えになるものか?と言われると絶対になっていない。

エリアの構造以外では、システム周りのカジュアル化も前作との違いとして挙げられる。「スキルシステムが廃止された」「弾薬が全ての銃で共通化された」など、簡単にする方向で、システム周りが見直されている。

遊びやすくなった反面、「簡単になりすぎ」とも思う。限られたスキルポイントでコツコツとではなく、普通に回収できる、購入できる強化アイテム(バイオモッド)さえあれば主人公を強化できるので、早い段階で、全方向に強い主人公が出来上がってしまい、長い目で主人公を育てていく部分が非常に弱い。また、弾薬も含めて、アイテムは十分用意されているので、リソース管理もあまり意識する必要がない。

たしかに、覚えること、意識すべきことが少なくて、遊びやすいゲームではある。ただ、今作はそれが行き過ぎてしまっており、プレイスキルを磨き、試行錯誤する面白さが、スポイルされてしまっているように感じる。

一つのアクションRPGとして見れば、決して悪いゲームではないのだが、前作の正統派な続編だと思って遊ぶと、色々と物足りなさを覚えるゲーム内容になっている。

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Deus Exらしいところ

前作『Deus Ex』は、とにかく、プレイヤーに様々な選択肢を提示して、プレイヤー自身に選ばせるという作りが徹底されていたが、それは今作でも同じ。

どのミッションにも、様々なアプローチ方法が用意されている。例えば、ある施設へ侵入する場合、正面から押し入るか、裏口から潜入するかを選ぶことができるし、ミッションタスクを消化する順番もプレイヤーの自由。前作同様に、遊び方を縛ることをしないゲームになり、比較的自由に遊べるゲームになっている。

ただ、私の場合、早い段階で、全方向に強い主人公が出来上がってしまったこと、アイテムが十分用意されていたことにより、他の選択肢を検討する前に、パワープレイで強引に片付けてしまうことが多かった。色々と甘めのゲームゆえに、他の攻略法を検討する必要性があまり高くなく、銃でゴリ押しする遊び方に偏りがちで、大味な印象を受けた。

ストーリー上での選択は、前作よりも面白い。前作も、選択によってストーリーの細かな部分が変化するゲームだったが、今回は、そこに「オーダー」や「WTO」と言った組織との関係を意識しながら遊ぶ要素が加わり、選択することがより大きな意味を持つようになっている。一つのミッションに対して、それぞれの組織から真逆の指示が出ることは珍しくなく、その都度、プレイヤーは総合的に判断して、決断を下していくことになる。

前作とは違うところも多いが、コアとなる部分は、しっかり受け継がれており、「Deus Exを遊んでいる」という感覚はちゃんとある。

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日本語版でのプレイが困難なのが難点

日本語で遊べるのは、初代Xbox向けに販売された日本語版のみ。Xboxと言えば、後方互換に力を入れているが、残念ながら、今作はそれに対応しておらず、日本語で遊びたい場合は、初代XboxとXbox日本語版が必要になる。

他のシリーズ作品と同じく、今作もストーリーやキャラクターの背景は複雑で、会話シーンでは、専門用語が次々と出てくる。加えて、一つのミッションに対して、他の組織が口を挟んでくることも多いため、ストーリーの流れを掴むハードルも高い。

英語で遊ぶのが厳しい場合は自動翻訳を駆使して、分からないところは改めてググったりして、根気よく遊ばないといけない(私のように…)。

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総評

前作『Deus Ex』の正統派な続編ではなく、”お手軽にDeus Exを体験できるゲーム”として見れば、悪いゲームではない。良くも悪くも変わったところは多いが、「プレイヤーに判断を委ねる」という作りは一貫しており、”Deus Exらしさ”はちゃん感じられる一作になっている。

ストーリーは、前作で綺麗に終わっているので、あれでおしまいとしても良いのだが、これはこれで良いフォローアップになっているので、前作ファンは遊んでみると良いかも知れない。その場合は初代Xboxでしか日本語で遊べない件がネックになってくるが。

ちなみに、PC版をプレイする場合は非公式パッチの導入は必須。それでもバグっぽいので、色々と様子を見ながら遊ぶ必要があり、遊ぶのは少し大変。

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