対応機種 | PS2,PS3など |
プレイ時間 | 12時間~ |
『龍が如く』は、”極道”をテーマにしたオープンワールドゲーム。
シリーズ一作目である本作では、プレイヤーは桐生一馬として、裏社会を巻き込む「100億円」を巡る陰謀に巻き込まれていく。
評価
一作目の時点で、すでに龍が如く
先に『龍が如く0 誓いの場所』を遊び、その後にこの一作目を手に取ったので、最初は「色々と我慢して遊ばないといけないかも」と覚悟したが、30分も遊べばそんな不安はどこかへと消えていった。
これに関しては、”一作目の時点でシリーズの土台が完成している”とも言えるし、”シリーズを重ねても(~龍が如く0)ゲーム内容がそこまで大きく変化していない”とも言えるわけだけれど、とにかく一作目の時点で、すでに龍が如くのスタイルが確立されているので、先に「0」を遊んでいても違和感なく入れる。
肝心の戦闘では、パンチやキック、ヒートアクションを組み合わせるお馴染みの”喧嘩”が繰り広げられ、時にはドスやその辺にある看板なども上手く活用し、大勢のヤクザやチンピラと戦っていく。発売された頃に遊んだ時は、周囲のモノを拾って敵を攻撃できることに、軽く衝撃を受けた。
一方で、ボス戦はやや手強い。
続編以降と比べると全体的に難易度は低いが、ボス戦では、ザコ戦とは違ってヒートアクションや回避などを的確に使い分ける必要があり、ボスとザコというように難易度にメリハリが付いている。
ただ、全体的に一作目はリアル寄りなので、人間離れした技や派手なエフェクトなどは少ない。この辺りは人によっては不満点かも知れないが、個人的には、現実ベースの作風が好みということもあり、本作のリアルとファンタジーの中間を行く戦闘は気に入った。
また、神室町も、”歓楽街での遊びに特化した”オープンワールドとしてすでに完成している。
小話が面白いサイドミッションからキャバクラ、裏カジノなど、箸休めとして遊べるコンテンツが揃っており、メインストーリーに疲れた時などに遊べば、良い気分転換になる。ただし、キャバクラと裏カジノはお金が簡単に吹っ飛ぶのでやりすぎ注意。
あとは、『龍が如く0 誓いの場所』のレビューでも書いたように、「神室町」は日本っぽさを上手く捉えたオープンワールドになっており、平成を生きた人ならガラケーや道行く人々のファッションなどに懐かしさを覚えるかも知れない。
後述するように、多少時代を感じさせるところはあるが、それでも一作目の時点で、すでに「龍が如く」として完成しており、手堅いアクションから遊べるコンテンツまで、このシリーズに求めるものは一通り揃っている。
ちなみに、一作目と二作目は固定カメラになっていて、決まったカットから操作する主人公を映し出すが、その第三者的な視点が”観客として映画を観ている”ような感覚を生む。表現力や映像美などは見劣りしても、一作目は驚くほど映画的なゲームだった。
詰めが甘く感じるところ
まず、戦闘周りはまだまだ粗削り。
ロックオンが弱く、大勢の敵を相手しているとよく攻撃が空振りした。ナイフを持った敵や銃を持った敵など、様々な種類の敵が入り交じる戦闘では、「どの敵を優先的に狙うか」が重要なので、攻撃が空振りすると、その分だけこちらが不利になる。
加えて、戦闘時でもカメラを自由に動かせないので、画面外からの攻撃に対応できないことも多々あった。
しかし、戦闘面の粗削りさよりも問題だったのは、ザコとの遭遇率の高さ。
「龍が如く」では、街にいるヤクザやヤンキーなどに絡まれて戦闘へと発展するのがお決まりだが、本作の場合、そんなザコとの遭遇率がかなり高く、移動が本当に面倒くさく感じた。目的地に到着するまでに5回くらいは絡まれる。
特にストーリーを追っている時にザコに何度も絡まれていると、せっかく盛り上がってきたストーリーに水を差されたような気分になる。
- 戦闘面の詰めの甘さ
- ザコとの遭遇率の高さ
は遊んでいて気になった。
総評
後の人気シリーズの一作目だけあり、アクション面もストーリー面も非常によく出来ており、白熱した格闘戦から「100億円」を巡るスリリングなストーリーまで、最後までしっかりプレイヤーを引っ張ってくれる面白さがあった。
今では本作をリメイクした『龍が如く 極』があるので、一作目をわざわざ遊ぶ人はそう多くないかも知れないが、リアル志向な作風と、まだ何も肉付けされていない”素の龍が如く”が楽しめるという点で、あえて本作から遊んでみるのも十分アリだと思う。
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