【感想・評価】スウェーデン版『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女(2009)』レビュー/ノオミ・ラパスの出世作

ミステリー映画のレビュー

スウェーデン版『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』のレビュー。

ジョン・ウィック』のミカエル・ニクヴィストが主演し、ノオミ・ラパスは準主演として出演している。

紹介

ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女のストーリー

36年前に失踪した少女を捜索するように依頼された主人公。

彼は天才ハッカー・リスベットと共に失踪事件を捜査するが、その過程で名家・ヴァンゲル一族の秘密が明かされてゆく。

ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女の出演者

役者 役名
ミカエル・ニクヴィスト ミカエル
ノオミ・ラパス リスベット
レナ・エンドレ エリカ
スヴェン=ベッティル・トーベ ヘンリック
ピーター・ヘイバー マーティン など

感想

“華麗なる一族”を巡るミステリー

原作が読みたくなる実写版。

「迷宮入り」寸前の事件を、主人公らは「ナチス」の時代まで遡って調査し、一族と事件を結びつける証拠を探し求めて奔走する。

そして、36年前に起きた少女の失踪事件を起点に、映画では”由緒正しき一族”の暗い過去が描かれ、一部の人たちがひた隠して来た事実が明かされていく。

ミステリー・モノとしてしっかり楽しませてくれる一作になっており、“36年前の事件を捜査する”という無理筋なお話を、重厚なミステリーとしてまとめ上げている。

また、個人的には一族の閉鎖的な素顔が垣間見える陸の孤島と化した大豪邸や、事件同様に鋭く冷たい雪景色も気に入った。

リスベット

主人公ミカエルをサポートするリスベットという名のハッカー。

暗い過去を持つ彼女は、他人との接触を避け、かつ自分の世界に他人が入ることを許さない人物だったが、ミカエルと事件を捜査する中で成長、もしくはトラウマを克服していく。

リスベットの存在も、この映画の重要な要素の一つ。

(ミカエルが打ちのめされた際にそっと慰めに来るシーンは、台詞なしで彼女の心境の変化を表現する良いシーンだった)

無論、リスベットを演じるノオミ・ラパスも素晴らしい。

彼女の”微細な表情の変化で複雑な胸の内を表現できる演技力と、徹底した役作りを武器に、見事にリスベットを演じており、強烈な印象を残す。

まとめ

北欧を舞台にした良質なミステリー映画。

2時間半(フルバージョンは3時間)という長い尺を使って描かれるミステリーと、リスベットの成長が描かれるお話は非常に見応えがあり、続編への期待が膨らむ一作だった。

▼関連記事▼