エウヘニオ・デルベス 主演のコメディ映画『オーバーボード』のレビュー。
紹介
オーバーボードのストーリー
世界的な大富豪のドラ息子・レオ。
彼はクルーズ船の清掃に来たケイトに無礼な態度を取ってしまい、彼女の怒りを買ってしまう。
その後、レオは酔ったままクルーズ船から転落してしまい、記憶喪失の状態で近くの海岸に打ち上げられる。
病院に搬送されたレオだったが、それを知ったケイトはレオを懲らしめるために彼を引き取り、一家の大黒柱として働かせようとする。
オーバーボードの出演陣
役者 | 役名 |
エウヘニオ・デルベス | レオナルド |
アンナ・ファリス | ケイト |
エヴァ・ロンゴリア | テレサ |
ジョン・ハナー | コリン |
スージー・カーツ | グレイス など |
感想
お金を抜きにしたら何が残る?
お話自体は金持ちのドラ息子が記憶喪失になり、一般家庭で苦労するというものですが、主人公・レオの性格や好みが記憶喪失になってもそのままという点が面白い。
“贅沢好きで派手好きの”性格なのにそれが出来ないことに戸惑う様子や、そうした思いを押し殺して家族のために肉体労働に励む姿は非常に前向きです。
王道的ではありますが、”一般家庭を知って自分の生き方を改める”レオに人間としての成長を感じました。
全体的に無理がある
正直、多くの点において「?」が付く作品でした。
元ネタの『潮風のいたずら』は1987年に公開されており、80年代ならこうしたお話も”あり得た”のかも知れませんが、今はスマホを通して様々な情報に瞬時にアクセスできる時代です。
言ってしまえば“世界的な大富豪の息子の死”は格好のバズネタなわけで、それを本人にも周囲にも悟られずに騙し切ることなんて出来るとは思えません。
また、娘たちがレオの娘役を完璧に演じる辺りも出来すぎだなという感じです。
そもそも、見ず知らずの男を家庭に招き入れる時点で無理がある。
ケイト一家は全員女性ですし、「娘もいるのに他人同然の男を招き入れるか?」という点がどうも腑に落ちず、モヤモヤ感がずっと残っていました。
人物描写も雑い
娘たちの心理描写にもっと時間を割いて欲しかったです。
現状では”見ず知らずの男を、無条件にパパとして受け入れる娘たち”になっており、観ている側としては今ひとつ感情移入できませんでした。
肝心の夫婦ごっこが本物になっていく流れも、トントン拍子に進んでいくので様々な困難を乗り換えて絆を深める部分が弱かったです。
まとめ
私にとってはファンタジー”すぎる”映画でした。
とは言っても、金持ちのドラ息子が一般家庭で四苦八苦する様子はコメディとして面白く、一人の大人として成長する姿もやけに感動的でした。