【感想・評価】『死の接吻(ネタバレ)』レビュー

クライム映画のレビュー
原題 Kiss of Death
公開日 1995年4月21日
ストーリー 人生を再出発させた元犯罪者、ジミー・キルマーティンのもとに従兄弟のロニーが現れる。

ロニーはジミーにギャングの仕事を手伝ってくれるように懇願し、ジミーはそれを引き受ける。

しかし、ジミーはその仕事の最中に逮捕されてしまい、検察から取引を持ち掛けられる。

ジミーは取引に応じ、ロニーのボスであるリトル・ジュニアを逮捕すべく内通者として捜査に参加する。

デヴィッド・カルーソ主演のクライム映画『死の接吻』のレビュー。

死の接吻の感想/評価

この映画は、刑事ドラマ『NYPDブルー』でブレイクしたデヴィッド・カルーソが、その成功を引っさげて映画俳優へのキャリアチェンジを図った時期の作品

ニコラス・ケイジやサミュエル・L・ジャクソンを差し置いて、エンドクレジットでは一番上にデヴィッド・カルーソの名前が登場するところに、当時の彼の勢いを感じます。

さて、デヴィッド・カルーソ好きとしては、数少ない主演映画なのでそれだけで楽しめるわけですが、一つのクライム映画としては可もなく不可もなしでした。

肝心のストーリーは、よくある”一度足を踏み外すと後戻りできない”現実を描く内容になっており、強い者たちに翻弄される男の生き様が映し出されます。

確かに、「妻の妹との再婚が唐突すぎる」「妻の母がいつの間にかジミーを許している」など、突っ込みどころはありますが、人生の不条理さや正義の脆さを描くストーリーはそれなりに楽しめるものでした。

ただし、主演のデヴィッド・カルーソは今ひとつ。

この映画に限らず、デヴィッド・カルーソは”どんな役を演じてもデヴィッド・カルーソになってしまう”ところがあり、今回はその悪い面が出たように感じます。

『NYPDブルー』でのデヴィッド・カルーソは正にはまり役で、正義に燃える刑事がよく似合っていましたが、この映画でもそのままの彼が登場します。

よって、デヴィッド・カルーソ演じるジミーがあまり際立っておらず、ニコラス・ケイジやサミュエル・L・ジャクソン演じるキャラクターに負けてしまっています。

まとめ

デヴィッド・カルーソ好きとしては楽しいクライム映画でした。

若干駆け足気味ながらも、ストーリーは筋が通っていますし、ニコラス・ケイジやサミュエル・L・ジャクソン演じるキャラクターも個性的で映画を盛り上げてくれます。

逆にデヴィッド・カルーソを抜きにすれば、主人公がパッとしない平凡なクライム映画ですが。