ニコラス・ケイジ主演のアクション映画『バンコック・デンジャラス』のレビュー。
紹介
バンコック・デンジャラスのストーリー
凄腕の殺し屋・ジョー。
この世界から足を洗う前に、ジョーはバンコクで4件の仕事を請け負うのだが、この街で出会った恋人と弟子が彼の命運をわけることに。
バンコック・デンジャラスの出演陣
役者 | 役名 |
ニコラス・ケイジ | ジョー |
シャクリット・ヤムナーム | コン |
チャーリー・ヤン | フォン |
ペンワード・ハーマニー | オーム |
ニラティサイ・カルジャルック | スラット など |
感想
尻すぼみしていく
全体的に雑で、ヌルくて、締まりのない映画でした。
主人公・ジョーは世界を股にかける凄腕の暗殺者で─
- 質問をするな
- 堅気の人間と交わるな
- 跡を残すな
- 引き際を知れ
がモットーのストイックな仕事人間だったはずですが、序盤以降はグダグダ。
仕事はまだ残っているのに恋人とイチャイチャしたり、運び屋・コンを”なぜか”弟子として育てたりしている時点で、モットーの「堅気の人間と交わるな」と「跡を残すな」は破っています。
また、肝心の暗殺も”映画的な演出”を優先するあまり、プロフェッショナルとは到底呼べない方法と場所で決行しており、凄腕の暗殺者の面影はありません。
ちなみに、この映画では入念な準備を飛ばして暗殺だけを描いているので、暗殺成功によって主人公の苦労が身を結ぶという達成感に欠けます。
全体的に、掴みとして”ストイックな暗殺者”という設定は用意したものの、段々とその制約が足枷となり、なし崩し的に様々な設定が改悪されて行ったような印象を受けます。
“暗殺者の燃え尽き症候群”を描くのは何回目?
“暗殺者(や犯罪者)が足を洗おうとするものの、そう簡単にはいかず云々…”という世界中で使い古されたお話をそのままやっているので予定調和的すぎる。
この映画の場合は人物描写が雑いので、ヒロインや弟子との交流がどうも表面的なものに思えてしまって、そうしたシーンは完全に蛇足でした。
異国情緒あふれる
バンコクの雑多な雰囲気や水上マーケットなどは、映画の舞台としてユニークでした。
外国の風習に戸惑うニコラス・ケイジはかわいい。
まとめ
全体的に雑なアクション映画でした。
アクションはそれなりに見応えはありますが、主人公像や設定はストーリーが進むに連れて崩れてゆき、最終的には”なぜ、その決断に至ったのか分からない”結末に行き着きます。
正直、私にとってはニコラス・ケイジ主演以外に見所のない映画です。