【感想・評価】『007 美しき獲物たち(ネタバレ)』レビュー

「007」シリーズ
原題 A View to a Kill
公開日 1985年5月24日
ストーリー 003はソ連国内からアメリカ製のICチップを持ち出すことに成功するが、遭難してしまう。

ジェームズ・ボンドは003の遺体からICチップを回収し、MI6に持ち帰る。

回収したICチップには核爆発時の影響を受けない技術が用いられており、これの出処を探ることに。

MI6はICチップの製造元であるゾーリン産業に注目し、ジェームズ・ボンドを派遣する。

ボンドはゾーリンの企みを暴くべく、別人になりすまして彼に接近するのだった。

ロジャー・ムーア主演のスパイ映画『007 美しき獲物たち』のレビュー。

“007 美しき獲物たち”の感想/評価

今作は『007 死ぬのは奴らだ』『007 黄金銃を持つ男』『007 私を愛したスパイ』『007 ムーンレイカー』『007 ユア・アイズ・オンリー』『007 オクトパシー』でジェームズ・ボンドを演じて来たロジャー・ムーアのボンド引退作品。

そして、一作目(!?)からマネーペニーを演じて来たロイス・マクスウェルのマネーペニー引退作品でもある。

さて、ボンド映画としては、久しぶりに”楽しい”ボンド映画だった。

『007 オクトパシー』のような複雑怪奇なストーリーではなく、今回は筋の通ったストーリーになっていて読みやすく、アクションも過去作以上で、印象に残るキャラクターも数多く登場する。

ストーリーは前半の地道なスパイ活動と、後半のアクション映画然としたスパイ活劇が上手く組み合わさっており、大きな矛盾もなく、すっと頭に入って来る。

アクションも、エッフェル塔からダイブしたり、サンフランシスコの街中でカーチェイスしたりと格段にパワーアップしており、アトラクション的な楽しさがある。

そして、キャラクターも、クリストファー・ウォーケン演じるゾーリンや、メイデイなど、強烈な存在感を放つキャラクターが多数登場し、お互いを食い合うことなく共存。

もちろん、ロジャー・ムーア演じるジェームズ・ボンドも相変わらず魅力的な人物として描かれており、60歳目前とは思えないほど”ボンドしている”。

ちなみに、公開時は”高齢すぎる”と指摘されたようだが、今では60前後のアクションスターは珍しくなく、観ていて特に違和感はなかった。

総じて、”ボンド映画らしい”作品になっており、『007 私を愛したスパイ』と同じく「久しぶりにボンド映画らしいボンド映画を観た」と思える内容だった。

まとめ

ロジャー・ムーア主演のボンド映画では『007 私を愛したスパイ』の次に良かった。

“ロジャー・ムーアが最後にボンド役を演じる”ことが目玉ではなく、ちゃんとボンド映画としてサービス精神に溢れた作品になっており、結果的に有終の美を飾る引退作になっている。

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