【感想・評価】『ダイ・ハード4.0』レビュー

「ダイ・ハード」シリーズ
原題 Live Free or Die Hard/Die Hard 4.0
公開日 2007年6月27日
ストーリー 12年ぶりにスクリーンに帰って来たジョン・マクレーンは、ハイテク機器を駆使して米国全土を攻撃するテロリストに”アナログ”で挑む。

ブルース・ウィリス主演のアクション映画『ダイ・ハード4.0』のレビュー。

ダイ・ハード4.0の感想/評価

👍12年ぶりにカムバック

『ダイ・ハード4.0』にて12年ぶりにスクリーンに現れたジョン・マクレーン。

ダイ・ハード(1)』『ダイ・ハード2』『ダイ・ハード3』に続く今作は、実に12年ぶりに製作された続編になっており、ジョン・マクレーンも映画の世界も12年分時が進んでいる。

51歳のブルース・ウィリスが演じる主人公・マクレーンは、定年が見えてきたベテラン刑事となり、以前ように最前線でハッスルする年では無くなっている。

一作目の頃はまだ幼かったマクレーンの娘・ルーシーも、親元を離れて暮らす年まで成長しており、立派な大学生に。

マクレーンの外見やルーシーの成長は”12年という時間の長さ”を感じさせ、この映画を観ることはずっと会っていなかった知り合いと久しぶりに会うかのよう。

『ダイ・ハード4.0』にて凄腕のハッカーを演じるジャスティン・ロング。

“12年という時間の長さ”はストーリーにも反映されており、今作ではインターネットやハイテク機器を巻き込む(公開当時は)タイムリーなテロ事件が描かれる。

当然(?)、マクレーンはIT化が進む社会から取り残されつつある側であり、敵の攻撃に加えて難解なIT用語にも四苦八苦しながらテロリストを追い詰めていく。

今作ではIT化に対抗するオールドタイマーの逆襲を丹念に描いており、マクレーンがハイテク集団を力でねじ伏せていく辺りは流石で、いつもと変わらない姿に感動すら覚える。

『ダイ・ハード4.0』にて遂に戦闘機とも戦うはめになったマクレーン。

さて、肝心のアクションは素晴らしい出来栄え。

ブルース・ウィリスの年齢を感じさせない俊敏な動きはアクション俳優としてのプライドを感じさせるし、ジョン・マクレーンのイメージも壊さない。

また、合成と実写を組み合わせたアクションシーンも迫力満点で、終盤のマクレーンと戦闘機の死闘はシリーズの中でも指折りの名シーンでしょう。

監督のレン・ワイズマン自身が「ダイ・ハード」シリーズの熱狂的なファンということで、その良さが存分に活かされている。

12年ぶりの続編の今作では、10年以上のブランクがキャラクターに深みを与えており、かつその間の技術的な進歩によってアクション映画としても成熟している。

ある意味、もっとも理想的な時期に見事復活した映画と言える。

👍ヒーローでいることを語る

『ダイ・ハード4.0』にてヒーローでいることの現実を語るマクレーン。

今作のジョン・マクレーンは、”アクション映画の主人公のその後”を写す存在でもある。

ダイ・ハード(1)』で人質事件を解決し、『ダイ・ハード2』では旅客機の墜落を防ぎ、『ダイ・ハード3』でもニューヨーク市内での爆破テロを阻止した。

当然、マクレーンは数多くの命を何度も救ったヒーローなわけだが、50歳を過ぎた彼に残っているものは警察バッジくらい。

マシュー「あんたみたいなヒーローにはなれない」
マクレーン「俺はヒーローじゃない」「ヒーローのご褒美知ってるか?何もない、撃たれるだけ」「すごいとかなんとか褒められるだけ」
マシュー「なんでヒーローやってるの?」
マクレーン「他にやるヤツがいないから、それだけだ」「本当に代わりがいればすぐに代わるが誰もいない」「だからやってる」

真面目なトーンでヒーローについて語るマクレーンは、ヒーローとしての宿命を受け入れる強さと諦めを感じさせ、ここでも12年という時の経過が効いて来る。

これを語れるマクレーンに痺れる。

まとめ

傑作の「ダイ・ハード」だった。

10年以上のブランクがストーリー的にもアクション映画的にも良い影響を与えており、年齢を重ねて深みを増したキャラクター性と進化したアクションが見事にハマっていた。

私にとっては一作目に次ぐ大当たりだった。

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