ジェイソン・ステイサム主演のアクション映画『WILD CARD/ワイルドカード』のレビュー。
紹介
WILD CARD/ワイルドカードのストーリー
ラスベガスの裏社会で用心棒を生業とする元エリート兵士のニック。
ある日、何者かに酷い暴行を受け瀕死の重傷を負った元恋人から、正体を突き止めて復讐してほしいとの依頼が舞い込む。
ラスベガスの表も裏社会も熟知しているニックは、すぐさま犯人を見つけ出し、脅威のスキルで瞬く間に依頼を完遂させる。
しかし、犯人の背後には、強大な権力でラスベガスを掌握する凶悪マフィアの存在が…
引用元 – Youtube
WILD CARD/ワイルドカードの出演陣
役者 | 役名 |
ジェイソン・ステイサム | ニック |
マイケル・アンガラノ | サイラス |
ドミニク・ガルシア=ロリド | ホリー |
マイロ・ヴィンティミリア | ダニー |
ホープ・デイヴィス | カサンドラ など |
感想
荒んだ用心棒・ジェイソン・ステイサム
本作は『トランスポーター』や『メカニック』などで有名なアクション俳優、ジェイソン・ステイサムが主演する”ラスベガスを舞台にした”アクション映画。
ジェイソン・ステイサム演じる主人公・ニックは、ラスベガスで用心棒の仕事を請け負っており、腕っぷしには自信のあるタフな男。
一見すると平均的ジェイソン・ステイサム映画っぽいが、本作は割りと現実的な舞台設定になっており、用心棒とギャングという無くはない対立構造がベース。
また、ラスベガス自体も夜の綺羅びやかな世界ではなく、地元民から見た素のラスベガスという描かれ方をしており、昼の閑散とした町の様子も逆に新鮮。
あと、ジェイソン・ステイサム演じるニックの戦闘シーンは、オールディーズ(っぽい)洋楽とスローモーションが効果的に使われており、色気がある。
ストーリーがとっ散らかってる
色々なテーマを詰め込んでことで、ストーリーが希釈されてしまったような印象を受けた。
主人公・ニックは、女友だちの依頼で彼女に暴行したギャングを痛めつけるが、ニックとその女性の関係性が掘り下げられていないので復讐のカタルシスに欠ける。
というか、ニックの宿敵・デマルコさんが小物すぎて話にならない。
また、ニックが面倒を見ることになる青年・サイラスも、”ニックがベガスから出る際のカネを捻出してくれるだけの存在”でしかなく、二人の友情も形だけだった。
ちなみに、サイラスは世界を恐れる自分の弱さを鍛えるためにニックを訪ねたと言うが、彼がなぜニックに目星を付けたのかは不明のまま。
あと、中盤辺りで発覚するニックの中毒的なギャンブラーとしての性格なども唐突。
そして、ニックがラスベガスを出ていく動機も弱い。
ニックは地元のマフィアのボスには一目置かれ、様々な場所には知り合いがいて、仕事もあるので、ラスベガスほど彼に合った土地はないように思う。
割りと彼はラスベガスをエンジョイしている。
この映画のストーリーは復讐モノでもあり、ギャングものでもあり、ギャンブルものでもあるが、それぞれが無理やり一緒にされているのでチグハグした印象を受ける。
まとめ
面白くなりそうなネタなのに、調理に失敗した映画。
素のラスベガスは新鮮で、オールディーズな洋楽とスローモーションを多用したアクションシーンも迫力があっただけに、とっ散らかったストーリーは残念。