ジェイソン・ステイサム主演のアクション映画『トランスポーター3』のレビュー。
紹介
トランスポーター3のストーリー
ある夜、フランクの自宅に車が突っ込んで来る。
その車の運転手は以前、仕事を紹介したこともある運び屋仲間だった。
瀕死の重症を負った運転手を見たフランクはすぐに救急車を呼び、その運転手は駆けつけた救急隊員によって救急車に乗せられ、病院へと向かった。
次の瞬間、運転手の腕に付けられたブレスレットが起爆し、救急車もろとも木っ端微塵に。
その後、フランクは残された車の後部座席に女性がいるのを発見し…。
トランスポーター3の出演陣
役者 | 役名 |
ジェイソン・ステイサム | フランク |
ロバート・ネッパー | ジョンソン |
ナタリア・ルダコーワ | ヴァレンティーナ |
フランソワ・ベルレアン | タルコニ |
ジェローン・クラッベ | レオニード など |
感想
そもそも、前提がおかしい
もう、なんというかすごい
前作『トランスポーター2』のストーリーも相当ヒドかったが、今作はそれのさらに上を行くヒドさになっており、もはや芸術的な支離滅裂さ。
そもそも論として、ヒロイン・ヴァレンティーナを運ばせる理由が分からないし、仮に運ばせる理由があったとしても、主人公・フランクに依頼する必要はない。
宿敵・ジョンソンの組織はきちんと統制が取れており、テクノロジーにも精通しているので自分の手下を使った方がはるかに安全確実に”荷物”を輸送できたはず。
フランクを使うにしても、”愛車から離れると起爆するブレスレット”だけでは任務を遂行させる動機としては弱く、案の定、フランクは道草を食いまくって当初の計画が大きく狂う。
だって、愛車から離れなければ何してもOKなんだもの…。
せめて、ブレスレットは遠隔起動できるくらいの設定は必要だったと思う。
それ以前に、大切な人質とそれに同行する人間にブレスレットを付ける意味が分からないが…。
無駄で、無意味なシーンが目立つ
まず、無意味な会話の連続にウンザリする。
基本的にこの映画はロード・ムービー的な側面があるが、驚いたことに道中の会話は食べ物の話か、性的な話ばかり、その場で消費されて終わり。
よって、人間的な成長や関係が深まる過程を丁寧に描くことはせず、沈黙を埋めることに終始するので車内での会話シーンは本当に退屈だった。
最後の方の”関係を持つ、持たない”のやり取りと、続く服の脱ぎ方をウダウダ言い合うシーンは尺の無駄遣いすぎて唖然とした。
また、アクションを見せるためだけに存在する”ストーリーを進展させない”シーンは、映画全体のテンポを悪くしている。
今作の上映時間はシリーズ最長だが、追加された時間は漏れなく無意味なシーンばかりだった。
個人的には、愛車のタイヤの空気を使って川底から上がって来たのに、次のシーンではタイアに空気いっぱい!という”超”ご都合主義的な展開がお気に入り。
ヒロインがひたすらにウザイ
ヒロイン・ヴァレンティーナは、ぶっきら棒で口を開けば軽口と嫌味しか言わないので第一印象が最悪。
勝手にヤクをやってハイになり、ガソリンスタンドで大暴れするわ、カーチェイスの最中に「お腹すいた!」とか言い出すわと、もうめちゃくちゃ。
かと思ったら、急にフランクにベタベタし始めて関係を持つという…。
ヴァレンティーナはキャラクターとして魅力がなく、かつ人物描写も雑という二重苦になっており、いち観客として一ミリも感情移入できなかった。
余談だが、終盤辺りでヴァレンティーナがジョンソンの顔に唾を吐きかけ、それに怒ったジョンソンに殴られるシーンがあるが、内心「ジョンソン、よくやった!」と思ってしまった。
アクション部分は見る価値あり
鍛え上げられたジェイソン・ステイサムの肉体が繰り出すアクションは今作も見応えがあり、この点は唯一褒められるところ。
まとめ
悪い意味で”前作超え”をしてしまった三作目。
今作に関しては、”ジェイソン・ステイサムが出ているから”と言って誤魔化せるレベルではなく、ジェイソン・ステイサムが出ているジェイソン・ステイサムのための映画なのに、ジェイソン・ステイサム好きの私でも全く楽しめなかった。
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