原題 | he Equalizer 2 |
公開日 | 2018年7月20日 |
ストーリー | タクシードライバーとして人生を再出発させていた主人公・マッコール。
以前のように、マッコールは助けが必要な人には無条件で手を差し伸べる善人。 しかし、唯一の友人・スーザンが何者かに惨殺されたことでマッコールの日常は一変する。 |
デンゼル・ワシントン主演のアクション映画『イコライザー2』のレビュー。
イコライザー2の感想/評価
イコライザーの魅力が半減
今作は2014年に公開された『イコライザー(1)』の直接的な続編にあたり、”デンゼル・ワシントンが初めて続編に出演した”ことでも話題になりました。
今作でも、弱者にはとことん優しいマッコールさんが悪党を懲らしめていくお決まりは踏襲されており、タクシードライバーの顔と殺し屋の顔を巧みに使い分けます。
ただし、今作は前作に劣る。
前作は、「リベンジもの」であると同時に”テリーのために一度捨てた過去の自分に戻る”というマッコールさんの覚悟と苦悩が描かれていましたが、今回は良くも悪くも吹っ切れており、そうした深みが感じられません。
また、今回のマッコールさんは意外と殺しのハードルが低く、前作のように死にゆく相手の姿を目に焼き付けたり、奪った命の重さを受け止めたりする様子があまり見られません。
個人的に前作の良さは、”アクション映画の主人公だが、キャラクターに奥行きがある”という点だったので、それが薄れた今作は今ひとつ魅力に欠ける印象を受けました。
マッコールさんのサイコ感
今回のマッコールは”自分が気持ちよくなるために悪人を利用している”感じがひしひしと伝って来ました。
わざわざトルコまで行って悪党を懲らしめたり、若い女性に乱暴した男たちに罰を与えたりなど、”他人の厄介事を強引に片付ける”自分に酔っているような感じ。
タクシードライバーという職も、ホームセンターよりはトラブルが舞い込んでくる可能性が高いからでは?と穿った見方をしてしまいます。
この点でも、今回のマッコールさんはあまり共感できるキャラクターではありませんでした。
長くて、消化不良気味
やけに長くて、ストーリーが全然進んで行かない映画でした。
前作『イコライザー(1)』では、開始30分辺りでマッコールさんはロシアンマフィアのアジトに行くわけですが、今回は開始40分でようやく復讐劇のきっかけとなる事件が起きます。
その後、「ようやくストーリーが進み始めた」と思ったら、今度はマッコールさんが気にかけていた青年とギャングのイザコザが始まってストーリーは停滞する…。
1時間20分辺りで事件の構図が明らかとなり、マッコールさんの本当の敵が判明するも、“イコライザーとして”盛り上がって来た頃には残り40分を切っている。
残り40分を切った辺りからはテンポ良く進んでいくわけですが、ここに至るまでが本当に長く、ストーリーもあっちこっち行くのでまとまりに欠ける印象を受けます。
今作はストーリーがなかなか核心に迫らないので、上映時間は前作よりも短いはずなのに体感としてはこっちの方が何倍も長く感じました。
敵の存在感も前作に劣る
前作ではマッコールさんが平穏な日常を送っている裏で、血眼になってマッコールさんを探すロシアンマフィアの様子がじっくり描かれていました。
しかし、今回は前作で言うロシアンマフィアの描写が老人や青年とのサブストーリーに置き換わっており、裏切り者たちの怖さが今ひとつ伝わって来ませんでした。
まとめ
最後の40分以外はイマイチなアクション映画でした。
言うまでもなく「イコライザー」としてもあまり面白くなく、前作『イコライザー(1)』は何度も見返すつもりですが、今作に限っては一回限りで良いかなという感じです。
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