【感想・評価】『アリータ: バトル・エンジェル(ネタバレ)』レビュー

SF映画のレビュー
原題 Alita: Battle Angel
公開日 2019年2月14日
ストーリー 空中都市「ザレム」と下界「アイアンシティ」に分断された世界。

「アイアンシティ」で医師をしているイドはくず鉄の山からサイボーグ少女の頭部を発見する。

イドはそのサイボーグを修理し、新たな命を与え、アリータと名付ける。

アリータはシドたちと共に「アイアンシティ」で新たな人生を始めるが、次第に分断された世界の陰謀に巻き込まれていく。

ローサ・サラザール主演のSFアクション映画『アリータ: バトル・エンジェル』のレビュー。

アリータ: バトル・エンジェルの感想/評価

銃夢に夢中

『アリータ: バトル・エンジェル』の主人公・アリータがヒューゴと会話するシーン。アリータを演じるのはローサ・サラザール。

この映画は痛快なアクション映画であると同時に、アリータが出会いと別れを経て成長する姿を力強く描いた一作でもありました。

主人公・アリータは、下界に捨てられた廃棄物の一つでしたが、偶然にも彼女の一部を発見したシドによって新たな命を与えられます。

シドのおかげで、アリータは”下界に捨てられた廃棄物ではなく、生まれ落ちたサイボーグ”として人生を再出発することに。

その後、アリータは”多くの人が一生を通して経験する”ようなことを短期間のうちに経験し、サイボーグでありながらも人間的な内面を育み、ヒューゴに「人間よりも人間らしい(要約)」とまで言われる。

また、アリータを見守る人たちにとっても同様で─

  • 愛娘の死をまだ受け入れられないでいるシド
  • 下界での生活に嫌気が差しているヒューゴ

などは彼女と出会い、交流する中でそれぞれの課題と向き合い、彼ら自身も生まれ変わっていきます。

本当ならスクラップ置き場で朽ちていくだけだったアリータでしたが、結果的に彼女は周囲を巻き込む大きな変化をもたらすわけです。

この映画ではキャラクターの掘り下げに時間が割かれており、ウブだったアリータが出会いと別れを経て大きく成長し、一人のサイボーグ戦士として人生の目的を知るまでの過程が丁寧に描かれます。

CGによって生まれたアリータの表情はすごく人間らしく、オレンジを初めて食べた時の眉の動きやヒューゴに初めて触れられた時の純粋な表情は決して作り物ではありません。

『アリータ: バトル・エンジェル』の主人公・アリータが「モーター・ボール」という競技に参加しているシーン。アリータを演じるはローサ・サラザール、試合の実況は古舘伊知郎。

もちろん、目玉のアクションシーンも素晴らしい。

テンポ良く、火力と破壊を惜しみなく詰め込んだアクションの数々はこの映画のハイライトであり、かつ細身のアリータが自分より何倍も大きな強敵を打ち破っていく姿は実に痛快でした。

あくまでも序章

『アリータ: バトル・エンジェル』の主人公・アリータがシドの仕事を手伝っているシーン。アリータを演じるのはローサ・サラザール、シドを演じるのはクリストフ・ヴァルツ。

正直、ストーリー自体は消化不良気味。

「ノヴァとの戦いは次回作以降で!」という感じになっており、この映画単体で見た場合は”大きなストーリーの序章”という印象を受けます。

今回はキャラクターの掘り下げとアリータたちが住む世界の説明に時間が割かれており、本格的にストーリーが進展していくのは次回作以降でしょう。

ちゃんと続編が公開されれば「一作目は序章として面白かったね」となりますが、現時点では「ちょっと消化不良感があるよね」という感じです。

まとめ

アクションとストーリーの両面で楽しませてくれるアクション映画でした。

“序章”ではあるけれど、アリータと周囲の人々の変化を描くストーリーは非常に共感できるお話になっており、メカメカしいアクションの数々も迫力満点でした。

「アリータ」の続編を望むファンを”アリータ・アーミー”と呼ぶそうですが、今日から私もアリータ・アーミーです。