ジョン・トラボルタ主演『パリより愛をこめて』のレビュー。
紹介
パリより愛をこめてのストーリー
パリより愛をこめての出演陣
役者 | 役名 |
ジョン・トラボルタ | ワックス |
ジョナサン・リース=マイヤーズ | ジェームズ |
カシア・スムトゥニアク | キャロリン |
リチャード・ダーデン | ベニントン大使 |
アンバー・ローズ・レヴァ | ニコール など |
感想
ノンストップ・アクション
ジョン・トラボルタ演じるスパイ、ワックスがパリでひと暴れするアクション映画。
この映画のトラボルタは、スキンヘッドに口ひげという個性的な出で立ちをしており、ガサツで、無神経ながらも仕事は一流というスパイを見事に演じている。
ジェームズ・ボンドやジェイソン・ボーンのような洗練さはないが、粗暴さの奥に見え隠れするプロフェッショナルな姿は、ワックスという人物を強く印象付ける。
さて、映画自体はザ・アクション映画。
本作は”『96時間』の制作陣が再タッグした作品ということで、やはり”めちゃくちゃ強い主人公が敵の組織を一方的に叩いていくタイプ”になっており、安心して観られる。
ワックスが危機的な状況に陥っても一瞬で形勢逆転するし、弾丸の雨を浴びても傷一つ付かない。
本作は「主人公は死なないし、苦しまない」ということが分かった上で観る”殺戮ショー”であり、観て、スカッとして、寝る、みたいな楽しみ方ができる作品。
お話や展開の辻褄が合わない
- コカイン入りの花瓶
- 売春宿に押し入る意味
- ラストの展開
~中盤まで主人公の相棒・ジェームズはコカイン入りの花瓶を運ばされる。
確かに、あとの方で効果的に活用できる場面が用意されているが、それは”偶然そうなった”だけであり、彼がそんなものを運び続けた意図が分からない。
次に主人公らが売春宿に押し入る場面。
名目はアパートの上階から敵の出入りを監視することだが、敵を確認したあと、すぐに地上に降りて追跡を始める。
「追跡するのなら、最初から地上で見張ればよかったのでは?」
わざわざ危険を冒してまで売春宿に押し入る意図がまたしても分からない。
あとはラストの展開も、「なぜ、敵はヒールを履いていると分かったのか?」「そもそも、あの格好でヒールを履くか?」と。
…
全体的に”やりたい演出”が優先されており、それに合わせる形で脚本ができている印象で、首を傾げたくなる場面が少なくなかった。
まとめ
ジョン・トラボルタ演じるワックスは最高。
ワックスが大暴れするアクションシーンは爽快で、ヨーロッパ映画ならではの色気も良かった。
ただ、”頭を空っぽにして観たい”映画だからこそ、それをさせてくれない粗い脚本は少々残念だった。
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