ショーン・コネリー主演のクライム映画『エントラップメント』のレビュー。
紹介
エントラップメントのストーリー
ある名画の盗難事件は保険会社に莫大な損害をもたらした。
この事件の犯人が名高い窃盗犯・マックの仕業だと睨んだ保険会社の社員・ジンは、彼を捕まえるためにある作戦を計画する。
エントラップメントの出演陣
役者 | 役名 |
ショーン・コネリー | マック |
キャサリン・ゼタ・ジョーンズ | ジン |
ヴィング・レイムス | アーロン |
ウィル・パットン | ヘクター |
モーリー・チェイキン | グリーン など |
感想
ご都合主義とミスリードの果てに…
この映画の致命的な欠点は最後の”どんでん返し”が全く刺さらないこと。
確かに、数々の矛盾点や疑問点は”どんでん返し”によって回収されるわけですが、そこに至るまではずっと頭に「?」が浮かんだ状態です。
「ジンとグリーンはどこで繋がってたの?」「アーロンとヘクターの関係は?」「なんでヘクターはFBIと一緒に動いているの?」などなど。
言わば、この映画の”どんでん返し”は答案用紙のようなものであり、「あとはそれを見ながら各自、矛盾点や疑問点を潰してくださいね」と言われているような感じです。
なので、「やられた!」というよりも「良かった、ちゃんと答えがあったんだ」という安堵感の方が強く、どんでん返しとして全く機能していません。
あと、これも厄介なのですが”単にご都合主義的な展開だった”ということも多い。
「(おとり捜査だったなら)なんでマックはヘクターに連絡したジルを責めたの?」「ヘクターはなぜ、ジルを止めに来たの?」「なんで、仮面を盗んだ段階で逮捕しなかったの?」など。
この映画では伏線としての謎と、ご都合主義が生む謎が混在するという”混ぜるな危険”が実際に起きてしまっているので、非常に頭が混乱します。
全体的に”思いついたことをそのまま脚本に採用した”ような印象を受けます。
ショーン・コネリーが渋い
70歳目前でもショーン・コネリーの渋さは健在です。
ショーン・コネリーの代表作である「007」シリーズを彷彿させるシーンもチラッと用意されており、彼のファンであればより楽しめるかと思います。
あと、マックやジンが博物館や銀行に押し入るシーンも見せ場として機能しており、映画を引き締めるスリリングなシーンでした。
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まとめ
ショーン・コネリーに免じて強くは言いませんが、それなりにヒドイ映画でした。
ショーン・コネリー&キャサリン・ゼタ・ジョーンズという実力派が揃っていながらも、肝心の脚本が粗い仕上がりになっており、2人の演技が虚しく画面上に映し出されます。