ロバート・レッドフォード主演のロード・ムービー『ロング・トレイル!』のレビュー。
紹介
ロング・トレイル!のストーリー
旅行記のベストセラー作家ビル・ブライソンは、家族と共にセミリタイア生活を送っている。
ありふれた日常が続き、「なんだか物足りない…」と感じていた彼は、家の近くを通る3,500kmの自然歩道「アパラチアン・トレイル」の踏破を決意。
旅のパートナーを募る中、やってきたのは破天荒すぎる旧友スティーヴン・カッツ。
期待と不安を胸に出発した二人に、大自然の脅威と体力の衰えという現実が立ちはだかる。
波乱の冒険は、やがて、思いがけない“心の旅”へと進路を変えていく…。
引用元 – Youtube
ロング・トレイル!の出演陣
役者 | 役名 |
ロバート・レッドフォード | ビル |
ニック・ノルティ | カッツ |
エマ・トンプソン | キャサリン |
クリステン・シャール | メアリー |
ニック・オファーマン | REI |
感想
思い立ったが吉日
妻・キャサリン「考え抜いて決めたことなの?」
主人公・ビル「まさか」
“思い立ったが吉日”とはよく言ったもので、すぐに行動に移さないと「もしかしたら…」と余計なことばかり考えてしまって一歩目が踏み出せなくなります。
そして、死ぬ間際になって「あれをやっておけば…」と後悔するはめに。
主人公・ビルは、高齢ながらも”アパラチアン・トレイルを踏破したい”という自分の声に従ったことで、親友と30年の時を経て仲直りし、一緒に濃い時間を過ごすことができました。
結局、人間いつ死ぬか分かりません。
確かに、”自分の声に従ってみる”ことは色々な意味でタフな選択ではありますが、どこかで折り合いを付けないといつまで経っても夢のままです。
この映画では、あえて高齢の名優をキャスティングすることで流れる月日の早さを観客に実感させ、”手遅れになる前に一歩目を踏み出すことの大切さ”を描きます。
観ている間は”自分がやりたくて出来ていないこと”が頭に浮かび、それをしないために言い続けて来た数々の言い訳を思い出し、「一つくらいは挑戦してみよう」という気にさせてくれる。
この映画は非常にポジティブな気分にさせてくれる作品でした。
欲を言えば、もっとキャラクターを掘り下げて欲しかった
ずっと喋りっぱなしのメアリーや好青年2人組など、せっかく個性的なキャラクターがいるのにあまり活かせていません。
欲を言えば、もっとビルやカッツと絡んで人生観や価値観について深く語り合って欲しかったです。
リアリティはない
70代のおじいちゃんが3,498kmもの自然歩道を歩こうとする時点でリアリティに欠けるわけですが、道中の出来事もそこそこ脚色されています。
豪雪の中を軽装備で進んでも生きていますし、数体のグリズリーも割りと簡単に撃退してしまいますし、そもそも相棒・カッツは足が悪いのに普通に歩いていますし。
前述したように、この映画は”高齢のキャストだからこそ”の部分があるので否定はしませんが、自然歩道を歩くリアリティは全くありません。
まとめ
気軽に観られるロード・ムービーでした。
自分の生き方や夢について考えさせるお話になっており、かつ誰も傷つかないので非常にポジティブな気分にさせてくれる作品でした。