キーファー・サザーランド監督・主演したクライム映画。
紹介
気まぐれな狂気のストーリー
数年のムショ暮らしを終えた主人公レイモンド。
出所後のチンケな仕事に嫌気が差した彼は、仲間と一緒に麻薬組織から大金を強奪する計画を立てるのだった。
気まぐれな狂気の出演者
役者 | 役名 |
ヴィンセント・ギャロ | レイモンド |
キム・ディケンズ | アディ |
キーファー・サザーランド | カーティス |
マーカス・ウェアンズ | ミケルティ |
マーティン・シーン | サー など |
感想
意外と牧歌的な逃走劇
良く言えば(お話の割には)ほのぼのしている、悪く言えばスリリングさが足りない。
主人公らはカップルの人質を取るが、彼らに危害を加えることはなく、無理難題を押し付けることもしない。
むしろ、「旅の仲間」みたいな感じに。
また、後に主人公らの中に覆面捜査官が紛れていることが発覚するが、だからと言ってそれをスリリングに描くこともしない。
(ちなみに、主人公らを覆面捜査していた理由は明かされず…)
あと、主人公らは追われている身だが、特に切羽詰った感もなく。
全体的に緊張感と締りがないかなと。
狂った歯車は戻らない
事の発端は主人公ではなく、同行したカーティスの”暴走”だったが、一度狂った歯車は最後まで噛み合わず…。
途中で主人公らの人質となったカップルもそうだが、人生の転機は良くも悪くも突然訪れるもので、この映画にはそんな非情な現実を映し出すシビアな一面がある。
強盗×誘拐×逃走というお話だが、意外にも人生や生き様について語る作品でもある。
配役の妙
俳優と演じるキャラクターが見事に噛み合っている。
狂気と狡猾さを兼ね備えたカーティス演じるキーファー・サザーランド、若さゆえの無垢さがキュートなアディ演じるキム・ディケンズや、異常性を隠しきれない追跡者を演じるマーティン・シーンなど、配役が適材適所。
まとめ
キーファー・サザーランドの監督としての才能を感じさせる一作。
若干、ストーリーは粗粗しいが、ロード・ムービーならではのトリップ感が味わえるショットの数々と、示唆的な台詞が魅力的な作品になっており、かつ登場人物も印象に残る。