ジェイソン・ステイサム主演のアクション映画『トランスポーター2』のレビュー。
紹介
トランスポーター2のストーリー
舞台はアメリカ・マイアミ。“運び屋”から引退を決意したフランクの今度の依頼品は、たった6歳の少年ジャック。
“運転手”という仕事で上流階級の一人息子の送り迎えを引き受ける。
そんな矢先、突如女殺し屋が現われ、ジャックが誘拐される。
引きさかれる間際に、フランクが少年と交わした固い約束「必ず君を守る。守れない約束はしない」。
そして決死の覚悟で敵のアジトヘ乗り込んだフランクは、ジャックを救出することに成功するが、敵の本当の狙いは身代金などではなかった!
引用元 – Youtube
トランスポーター2の出演陣
役者 | 役名 |
ジェイソン・ステイサム | フランク |
アレッサンドロ・ガスマン | ジャンニ |
ケイト・ノタ | ローラ |
アンバー・ヴァレッタ | オードリー |
マシュー・モディーン | ジェファーソン など |
感想
“ほぼ”マイ・ボディガード
「この展開、見覚えがある…」
と思っていたら、前年に公開されたデンゼル・ワシントン主演のアクション映画『マイ・ボディガード』だった。
仲が悪い夫婦、その寂しさを主人公とのふれあいで紛らわそうとする子供。そして、その子供が誘拐され、主人公が取り返すべく孤軍奮闘する感じ。
今作は『マイ・ボディガード』を「トランスポーター」でやると”こうなる”という映画になっており、薄っぺらい人間模様と見栄えの良いアクションの両方が楽しめる作品だった。
また、前作『トランスポーター(1)』よりもカーアクションに時間が割かれており、カーアクションとジェイソン・ステイサムの肉弾戦のバランスもきちんと取られている。
なので、アクション映画としては着実にパワーアップしている。
今回も、ストーリーが破綻している
“またしても”、というべきか”やはり”というべきか。
前作『トランスポーター(1)』に続き、今作も演出優先、お話は二の次という感じ。
結局、犯人たちの目的はサミットに参加する人物にウィルスを注入し、会場で拡散させることで各国首脳を消すことだった。
要するにそのサミットに出席する人物にウィルスを注入すれば済む話なので、この映画のようにわざわざ子供を誘拐し、市内で銃撃戦を繰り広げるなどして注目を集める必要なんて全くない。
次に子供を誘拐する作戦も「?」。
最初、犯人たちは子供が通院している病院に押し入り、医療関係者を全員殺害して彼らに扮するが、”日中の病院でそんなリスキーなことをする”理由が全く理解できない。
案の定、この作戦は主人公・フランクによって見破られて失敗する。
彼らはプランBに移るが、この作戦が狙撃銃で子供を狙い、フランクに言うことを聞かせるというものになっており、またもや「なぜ、これを最初にしなかったのか?」という疑問が生まれる。
さらに、子供が無事保護された時点で”フランクがウィルスの存在を関係機関に明かさなかった”理由も不明。
子供が保護された以上、もうウィルスの存在を明かしてもペナルティはないし、言わないように脅迫されている事実もない。
結果的にフランクが秘密にしたことでサミット会場でウィルスは拡散されてしまったので、フランクも犯人の計画に加担したとも言える。
ツッコミ箇所が多すぎるので、残りは箇条書きする…。
- 「少年を見つけた」=>どうやって見つけた?
- なぜ、わざわざフランクを爆死させようとした?
=>目の前にいるので、銃で撃った方が確実じゃない? - ウィルスの製造工場の警備がザルすぎるのでは?
- なぜ、すぐ近くに都合よくフランクの愛車がある?
- 解毒剤は開発できたの?
- サミット会場にいた人たちは大丈夫だったの? など
主人公が民間人を殺害した?
小型飛行機でのクライマックス。
ここでフランクは操縦士の一人を殺害するが、彼が”悪側”だったという描写がないので、”フランクが民間人を殺した”画になってしまっている。
…
子供の誘拐も描きたいし、バイオテロも描きたいという欲張りが混乱を招いており、ストーリーは支離滅裂でアクションに集中できない。
まとめ
まだ、前作『トランスポーター(1)』の方が数倍面白かった。
今回はストーリーの破綻が激しく、終始「なぜ?」という疑問が尽きない。
正直、リュック・ベッソンとスティーヴ・チャスマンのコンビは脚本に関与しない方が良い。
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