原題 | Robot World |
公開日 | 2015年12月4日 |
イアン・ロウ主演のSF映画『プラネット・オブ・ロボット』のレビュー。
プラネット・オブ・ロボットの感想/評価
👍アイデアと脚本で勝負
捻りの利いたSF小話でした。
ある惑星に不時着してしまった一人のパイロットは、その惑星を支配する殺人ロボットに追い回されるわけですが、そのパイロットが見つけた酒瓶に英語が書かれているのを観て、観客はここが地球であることを知る。
そして、主人公が酒瓶の英語を「異星人の言葉だ」と言ったことで彼自身がいわゆる宇宙人であることが判明します。
(“地球から未知の惑星に行く”という観客の思い込みを利用したトリック)
某お猿さんの映画であればここがオチなわけですが、この映画ではもう一捻り加えており、“パイロット側の惑星が無人探査機を誤ったタイミングで地球に送り込んでしまったことが核戦争を引き起こし、人類を滅亡させたというオチを用意しています。
ファーストコンタクトをシニカルに描いたSF小話になっており、私は二転三転するストーリーにすっかり飲み込まれてしまいました。
👍低予算ならではの工夫
「未知の惑星の割りに地球っぽい」と思っていたら地球だったり、「主人公以外に人間が出て来ないな」と思っていたら人類は絶滅していたり。
低予算の中でよく工夫されているなと感心しました。
【+考察】プラネット・オブ・ロボットを考える
ロボットが対立している理由
人類絶滅後も西側のロボットと東側のロボットが戦っていました。
主人公は英語が読めるのか?
“主人公が乗って来た無人探査機のインターフェイスが英語”でした。
私は製作時のミスによる矛盾点だと思っていますが、好意的に解釈すれば”不時着した際の衝撃で主人公はアルファベットをすっぽり忘れてしまった”とも考えられます。
“赤ちゃん”の意味はよく分からない
自分の星に残して来た子供なのか?
エンディングの後は?
無人探査機を地球に送り込むのに60年も要しました。
若く見積もっても主人公は30代半ばなので、仮に迎えが来てもその頃には90歳を超えています。
そもそも、水と食料が持たないと思いますが…。
まとめ
失礼ながら、良い意味で予想を裏切られました。
「映画は規模感が全てではないな」という当たり前のことに気付かせてくれる作品になっており、捻りの利いたSF小話と彷徨うおっさんが魅力的な一作でした。