ジェフリー・ディーン・モーガン主演のクライム映画『タイム・トゥ・ラン』のレビュー。
紹介
タイム・トゥ・ランのストーリー
主人公・ヴォーンの愛娘が病に侵され、手術が必要に。
しかし、ヴォーン自身の生活は困窮しており、高額な手術費を捻出できるほどの余裕はなかった。
雇い主・ポープにも借金を断られてしまい、もう後が無くなった彼は、ポープが経営するカジノに押し入り現金を強奪する計画に参加するのだが…。
タイム・トゥ・ランの出演陣
役者 | 役名 |
ジェフリー・ディーン・モーガン | ヴォーン |
ロバート・デ・ニーロ | ポープ |
ケイト・ボスワース | シドニー |
デイヴ・バウティスタ | コックス |
ジーナ・カラーノ | クリス など |
感想
手術費のためにカジノ強盗!
この映画はジェフリー・ディーン・モーガン演じる主人公・ヴォーンが、愛娘の手術費を捻出するために犯罪に手を染める様子をスリリングに描いた作品。
個人的にはデンゼル・ワシントン主演の『ジョンQ -最後の決断-』のように、カジノ強盗よりも病院に立てこもって要求を飲ませようとする方がリスクは低いように思いますが、ヴォーンは強盗します。
さて、映画は意外にも多様な作品でした。
てっきり、私は”カジノ強盗”がメインの映画だと思っていましたが、実際は『ヒート』的な強盗シーンや『スピード』的なチェイスシーンなどで構成された作品になっており、それなりに見応えがありました。
少なくとも、”安っぽくてガッカリする”ということはありませんでした。
ストーリーの筋が通らない
ご都合主義的な展開のバーゲンセール。
「なぜ、巡査はバスの封鎖を強引に解除してくれたのか?」「バスみたいな狭い空間で共犯者に隠れて金を移すことなんてできるのか?」「なぜ、人質全員が主人公に協力してくれるのか」などなど。
主人公・ヴォーンが仕組んだ計画に関しても─
- 乗客全員がヴォーンに協力してくれる
という非常に厳しいハードルを難なくクリアしてしまいます。
ヴォーンが乗客に紛れて逃走を図る場面では、他の乗客が警官にチクることなんてしませんし、バスの運転手に至っては無条件で捜査の撹乱に協力してくれます。
それ以外にも、「バス内に共犯者が残っているにもかかわらず、なぜ警察は外にいるヴォーンを狙撃しようとするのか」「切迫した状況でもないのに、なぜ走行中のバスに突入するのか」などの筋の通らない展開も多いです。
さらに、カジノの支配人・ポープが右腕・ドッグを撃ち殺すシーンも唐突で、あの場面は一言「やめろ」と言えば済む話でした。
終わってみれば雑なストーリーでした。
まとめ
二度目ですが、”ご都合主義的な展開のバーゲンセール”でした。
純粋に主人公・ヴォーンを応援したいのに、次々と彼にとって都合が良すぎる展開が登場し、かつストーリーもそれに合わせて脱線していくので、集中して観ることができませんでした。
ただし、時おり、「ニーガン」の顔が見え隠れするものの、ジェフリー・ディーン・モーガンの子供思いの父親役はハマっていました。