ジョージ・クルーニー主演のコメディ映画『ファミリー・ツリー』のレビュー。
紹介
ファミリー・ツリーのストーリー
最愛の妻・エリザベスが昏睡状態になり、娘たちの面倒を一人で見ることになった主人公・マット。
娘たちの世話に加えて、マットは新たに判明した別の問題にも対処する必要があり、様々な困難が主人公一家に降り掛かって来る。
ファミリー・ツリーの出演陣
役者 | 役名 |
ジョージ・クルーニー | マット |
シェイリーン・ウッドリー | アレックス |
アマラ・ミラー | スコッティ |
ニック・クロール | シド |
ボー・ブリッジス | ヒュー など |
感想
不慮の事故で妻・エリザベスが昏睡状態になり、主人公・マットは妻に代わって娘たちの面倒を見ることになりましたが、そう簡単には行きません。
これまで家のことは全て妻に任せっきりだったので、マットは”10才になる次女が卵嫌いだった”ことさえ知りませんでしたし、長女と妻が絶縁状態にあったことも同様です。
妻が居なくなって初めて、マットは妻のおかげで家族の形を保っていられたことを知り、自身の不甲斐なさと責任を痛感しますが、今さら悔やんでも後の祭り。
マットはエリザベスに代わってバラバラになった家族を必至に繋ぎ止めようとしますが、長女は急に父親ズラするマットを拒絶し、次女は家庭環境のせいで問題行動を起こします。
そして、追い打ちを掛けるように長女・アレックスは「母は浮気をしていた」と明かす。
実は、エリザベスは家庭を顧みないマットに嫌気が差して浮気をしており、そんな母を間近で見たことでアレックスは自暴自棄になって荒れていたのでした。
「もう、家族はむちゃくちゃ」
ですが、主人公一家は”エリザベスの不倫”をきっかけに結束し、もう意識が戻らない妻、母に複雑な感情を抱きながら向き合い、彼女を非難し、理解し、許すことで家族として成長してゆきます。
結果的にエリザベスを中心に家族の絆が修復されます。
最後の─
マット「ストロベリーにモカチップだ」
スコッティ「やった」
というやり取りは父娘の今の姿を端的に表し、続くテレビ番組に見入る3人の姿も”沈黙を苦に感じない仲になれた”今の家族の姿を表しています。
この映画は、説得力ある脚本と繊細な演技をもって”妻(母)の不在で表面化した家族の問題”を丹念に描いており、非常に見応えがありました。
まとめ
困難に直面した家族の姿を暖かく描いた一作。
この映画では”ハワイのゆったりとした”時間の中で家族として成長する姿を力強く、そして繊細に描いており、ジョージ・クルーニーの演技がそれに華を添えます。