ジョン・チョー主演のサスペンス映画『search/サーチ』のレビュー。
紹介
search/サーチのストーリー
主人公・デビッドの娘・マーゴットが突然、姿を消す。
居ても立っても居られないデビッドは、インターネット上でマーゴットの足跡を辿り、行方不明になった愛娘を捜索する。
search/サーチの出演陣
役者 | 役名 |
ジョン・チョー | デビッド |
デブラ・メッシング | ウィッグ |
ミシェル・ラー | マーゴット |
サラ・ソーン | パメラ |
ジョセフ・リー | ピーター |
感想
古くて新しいサスペンス映画
王道的なサスペンス×SNS×インターネット
お話自体は”よく出来た“王道的なサスペンス映画ですが、お話の中心がSNSやインターネットに置かれている点は実に今風で、古くて新しいサスペンス映画でした。
肝心のストーリーにはSNS文化が色濃く反映され、独特なフォロー文化や素性を隠すことが容易なSNSの特徴などがサスペンスを語る上で欠かせない要素になっています。
さらに、この映画は全てPC画面を通して描かれるのですが、Webサービスを駆使して足取りを追ったり、開いたページやユーザー名が伏線になっていたりします。
私たちの周りには、「Googleマップ」や「Kindle」などのように”昔からあるものをアップデートしたもの”が数多く存在しますが、本作はそれの映画版です。
要するに、この映画はサスペンス映画という昔からあるフォーマットを今風にアップデートしたものになっており、古くて新しいサスペンス映画でした。
説得力あるストーリー
監督・脚本のアニーシュ・チャガンティ自身が”かつてGoogleで映像制作の仕事に携わっていた”ということで、WebやSNSの描き方に説得力がありました。
例えば、父・デビッドはWebを駆使して娘・マーゴットの足取りを追うわけですが、彼のやっていることは実際に私たちもできます。
ある意味、恐ろしくもありますが、メインのメールアカウントにログインできればそれに紐付けされた様々なWebサービスのアカウントにアクセスすることが可能です。
SNSに関しても、承認欲求に飢える者たちや、野次馬的に群がって来る者たちの様子がリアルで、SNSでよく見る光景だったりします。
この映画におけるWebやSNSは”それらに精通した人たちが監修した”と分かるものになっており、描き方に説得力があります。
SNS向けの映画
様々な伏線が用意されており、一度に全てを把握するのは困難。
様々な伏線が用意されているからこそ、鑑賞後についつい見つけた伏線について誰かと話したり、誰かに教えてあげたくなります。
この映画は手軽に感想をシェアできるSNS全盛時代に即した作りをしており、SNSでの拡散を意識した”分かっている”作品でもあります。
まとめ
非常に見応えのあるサスペンス映画でした。
ストーリーを全てインターネット上で展開する点はユニークですし、肝心のお話自体もサスペンス映画としてオーソドックスながらも手堅く、好感が持てます。
“誰かとシェアしたくなる”作風にした点もスマートです。