トム・ハンクス主演『インフェルノ』のレビュー。
紹介
インフェルノのストーリー
“大量殺人によって人類を救う”ことを良しとする狂信者ゾブリスト。
ラングドン教授は記憶喪失に陥りながらも、ゾブリストが隠した生物兵器の行方を追う。
インフェルノの出演陣
役者 | 役名 |
トム・ハンクス | ラングドン教授 |
フェリシティ・ジョーンズ | シエナ |
オマール・シー | クリストフ |
イルファーン・カーン | ハリー |
サイズ・バベット・クヌッセン | エリザベス |
感想
【Good】追われるラングドン
今回はサスペンス寄りの作風だった。
今作は“ラングドン対環境テロリスト”という構図になっており、ラングドン一行がバイオテロを阻止すべくイタリア中を駆け抜ける様子をサスペンス仕立てに描く。
今作のラングドンは過去48時間の記憶がない。
彼は何者かに襲われ、銃撃された時の怪我が原因で記憶喪失になったのだが、「自分がベネチアで何をしていたのか」「なぜ、追われているのか」を全く思い出せない。
- ラングドンは過去48時間の記憶を失う
そんな状況でも、敵は執拗に彼を追いかけて来る。
「どうやら、自分はバイオテロに関係しているらしい」ことが判明した後は、敵の追跡を掻い潜りながら、断片的な記憶を頼りにウィルスの隠し場所を探し求める。
追われる身となったラングドンの逃走劇をスリリングに描きつつ、同時に大量殺人を招くウィルスの脅威も描いており、サスペンスとして楽しめる娯楽映画になっている。
どんでん返し
終盤に、全て仕組まれていたことだと判明。
WHOとラングドンの協力関係を妨害するために、【大機構】側はラングドンの怪我を偽装し、薬品で記憶喪失状態にすることで、ラングドンをコントロールしようとしていた。
(【大機構】とはゾブリストが契約していた闇のコンサルティング会社であり、彼は機構に円筒形のプロジェクターを預けていた)
計り知れない影響力を感じさせる【大機構】の存在は非常に魅力的であり、彼らが仕組んだ”ストーリー”もサスペンスとして十分に満足できるものだった。
【Bad】歴史ミステリー要素は薄い
一作目『ダ・ヴィンチ・コード』では”イエス・キリストの末裔”について描き、二作目『天使と悪魔』では”教会とイルミナティの対立”について描いていた。
一応、今回も【ダンテの新曲】や【十字軍】について言及されるが、それ以上に”ラングドン対バイオテロ”に重きが置かれており、過去作のような歴史ミステリー色は非常に薄かった。
また、終盤に種明かしされて以降は完全に”テロリストを追跡するサスペンス”になるので、過去作のノリで観た場合は拍子抜けするかも知れない。
まとめ
歴史ミステリー要素が薄くなった三作目。
記憶喪失を取り入れたサスペンスとしては及第点だが、過去作と近いものを期待して見た場合はその期待には答えてくれない。
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